【2021卒】就活生必見、ケース面接対策、ケース問題・フェルミ推定解き方のヒント、おすすめ書籍

大学・専門学生の就職活動
この記事でわかること
  • ケース面接で出題される問題
  • ケース問題の解き方のヒントとおすすめ本
  • フェルミ推定の解き方のヒントとおすすめ本
  • ケース面接で企業は私たちの何を見るか?

6月に入りました。2020卒の就職活動では今月がいよいよラストスパートですね! 本命企業が残っていてまだまだこれからという方も多いのではないでしょうか。

すでに内定をいただいている方もいて、今から内定を得ていく学生のなかには焦っている方もいるとは思いますが、今は売り手市場ですからきっと、自分に合った企業とご縁があるものと信じて、内定を勝ち取るまで走り続けていただきたいです!!

こんな呟きをみなさん、できたらいいですね!

そして2021年卒となる現在3年生のみなさんも、6月といえばインターンエントリー情報がぼちぼち出始めます。もう早い方は就職に向け動き出しているということです。そんな2021年卒に向け今回、取り上げるテーマは、

ケース面接

です。はじめて聞くという方もいるでしょう。

  • 優秀な学生を獲得したい企業
  • 外資系企業
  • コンサルティングファーム

などで導入されています。

面接というくらいですから終始、口頭で進めていくという感じですか?

いえ。面接とはいいますが会場には、机と紙とペン(筆記用具は持参しましょう)が用意されていて、制限時間内にある程度、考えをまとめ発表し、面接官と議論していくような流れです。

対話型面接のようですね。

会社によってまちまちだと思いますが、まあそのような感じです。レベルが高い内容になりますが、少なくとも大手、上場、外資系企業、コンサルティングファームなどを目指すライバルたちはSPI3対策だけではなく、ケース面接対策も行っていますから、上記を目指すならここも押さえておく必要があります。

  • ケース問題
  • フェルミ推定

の2種類が出題されています。

これよりケース問題・フェルミ推定の解き方の「ヒント」と、参考書籍としておすすめの本をご紹介していきます。

 

就職活動前に知っておきたいケース問題

ケース問題とは?

セイジさん、ケース問題とはどういう内容なのですか?

極論、問題解決手法の提示です。そのほか問題解決ケースと呼ばれることもあり、「東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート」によると、ケース問題は「ビジネス・社会一般・日常生活における問題への打ち手を考えるもの」と定義されています。

ケース問題は、出題された問題の解決法を示せ! ということですね。どのように解いていくのです?

解法は正直、問題パターンによってさまざまですので今回は全体に通ずるヒントをお伝えしていきます。

 

ケース問題の解き方のヒント

解き方のヒントをお伝えする前に、ケース問題パターンは下図のように、その目的別に大きく3つに分かれることを理解しておくべきでしょう。

目的の主体目的の内容具体例
集団お金が絡む(利益追求)経営戦略
お金ではない(公益追求)公共政策
個人意思決定入学、就職、退職、転職、結婚、離婚

上記、集団利益追求具体例の経営戦略。一見、縁遠く感じますが学生のみなさんにも当てはまります。今まさにサークルで幹事など運営側に回ってマネジメントしている方も少なくないでしょう。たとえばサークルメンバーについて、

  • 未納会費をどう集めるか?
  • 毎年減りつつある新1年生をどう増やすか?

といった問題に直面したことがあると思います。

はい。実は私、サークルの「会計」担当でした。当時のあだ名は「取り立て屋」です^^ 未納会費問題、新入生勧誘問題はたしかに課題でしたね…。

そんなときに使うのがケース問題です。

解き方は、

  1. 前提を確認する
  2. 現状を分析する
  3. ボトルネックを特定する
  4. 問題解決方法の提示
  5. 問題解決方法の評価

という手順です。これから社会人になると将来的に仕事でやはりお金や経営戦略を扱うことも考えられますからここは、上記手順でサークルの未納会費問題を解決するにはどうすればいいかを考えていくことにしましょう。

なんだかおもしろそう^^

1.前提を確認する(あいまいさ回避、対象特定、目標設定)

前提確認とは、問題を解決させるためにはジャマとなる曖昧(あいまい)な項目を「こうだ!」と確定させる作業と理解しましょう。未納会費問題であれば未払いメンバーは誰なのか? どこまでを指すのか? を確定させていきます(対象特定)。

たとえば規約に未納3カ月のメンバーは即刻、除名。となっていれば除名ですから、今、未納2カ月までのメンバーがこの問題の対象者となります。

そして彼らに未納分を支払っていただくことを目指します(目標設定)。

2.現状を分析する

これは言葉のとおり未納メンバーは何人なのか? 2カ月滞納者、1カ月滞納者、未納総額はいくらなのかなど現状を分析し割り出します。

数字だけではなくどういったメンバーが、会費を支払っていないのかも分析できるとなおいいです。

3.ボトルネックを特定する

ボトルネックとは問題発生原因のことです。その原因を探し出し特定する作業がこの工程です。

前工程2で未納メンバーを分析したところ、ほとんどが週1程度しか顔を出していないことが判明したとします。その原因を運営側で議論したところ、

  • 中心メンバーが楽しいだけ→未納メンバーにとってはつまらない
  • 会費の意味が伝わっていない→月会費に疑問を感じている

がボトルネック(原因)と特定しました。

ここは未納メンバーに直接、理由を聞けば特定は早いのでは?

現実はですね(笑)。 ケース面接では対象者にヒヤリングしたりできませんので、厳密にいえば特定という名の<仮定>なのかもしれません。

 

4.問題解決方法の提示

前工程3で特定したボトルネックを解消すべく、この工程で解決方法を考え出し、提示します。たとえば、

  • 基本全員参加でのイベントを毎月企画する(つまらない状態から脱却するため)
  • サークルメンバーで毎日学食に行こうと呼びかけ、一緒にランチを食べるようにする
  • 次の部会で、月会費を徴収する意味とその使途を説明する
  • 毎月、会計収支報告書を出して、部会で役員が使途などを説明する
5.問題解決方法の評価

上記解決方法について何らかの軸を用いて評価し、優先順位を決めます。

解き方は以上ですが、これはケース問題の解き方のヒントであってその域を超えません。今回、入門編と捉えていただけるよう身近な問題を用いました。本格的な解き方は、次項でご紹介するおすすめ書籍で各自ご確認いただきたいのが本音です。

ケース問題対策、おすすめ書籍

東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート 50の厳選フレームワークで、どんな難問もスッキリ「地図化」!

ここまでご説明した内容は基本的に、この書籍を参考にしました。出版以後、多くの学生に支持されてきた一冊です。各問の解説と210のケース事例、50のフレームワークが載っている同書は対策必携です。問題解決方法の評価のやり方もぜひ、こちらでご確認いただけますと幸いです。東大ケーススタディ研究会著、東洋経済新報社、1,500円+税

セイジさん、フェルミ推定についても説明してくれますよね?

はい。もう少し、お付き合いくださいね!

 

 

就職活動前に知っておきたいフェルミ推定

フェルミ推定とは?

フェルミ推定は、ケース問題とはまた解き方などが異なりますので、別途、章立てしました。

フェルミ推定とはコトバンクによると、

「正確な値を得ることや実際に調査することが困難な数量を、わずかな情報や値を元に論理的な推論を進め、短時間で定量的な概算をすること」

を指しています。

生前この手の問題を好み、自ら設問をしては解いていたといわれている物理学者、エンリコ・フェルミ(1901-1954)の名前からとり、そのように呼ばれるようになったそうです。

エンリコ・フェルミってたしか「量子電気力学の父」とも呼ばれている人じゃなかったです?

そうです。「フェルミ共鳴」や「フェルミ加速」など、彼の名前がついた発見も多く残っています。また原子爆弾実験にも関与していたといわれています。

 

フェルミ推定の解き方のヒント

そんなフェルミ推定の解き方は「現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート」によると本来、

  1. 前提確認
  2. アプローチ設定
  3. モデル化
  4. 計算実行
  5. 現実性検証

となっているのですが…。

セイジさん(泣)、数学が苦手な文系男女でも大丈夫ですか?

言われてみるとそうですね…。ではレベルもグッと落としましょう。今回はもっとわかりやすく、例題も解き方もみなさんが入りやすいようなところまで簡素化します(実際フェルミ推定は複雑で難しいのです)。

  1. 前提を確認する
  2. 自分の知っている知識を最大限に使う
  3. 理論上こうではないかと推測する
  4. 整合性がとれるように計算式を組み立てる
  5. 答えに近い値を導き出す

ことにします。そこでまたサークルネタでの出題です。毎年夏休みは大体、サークルでキャンプに行くのではないでしょうか?

毎年キャンプに行ってました! 大体みんなでカレーつくります!!

キャンプといえばバーベキューかカレーですよね。ではカレーにします。

 

とにかくバーモントカレーでもジャワカレーでもこくまろでも何でもいいです。買い出し部隊長の1年生がこう言いました。

「先輩、カレールウは何箱買いますか?」
1.ここで先に前提確認作業だけはしておきます。
  • 今年の参加人数は30人
  • 1人1皿しか食べない
  • みんなカレー好きで食べない人はいない
  • 30皿分つくる
  • 業務用ではなく市販のカレールウを購入する

セイジさん、私の女子力なめないでもらえますか^^ カレールウ1箱は8皿分なので、30人÷8皿≒4箱ですよ?

1箱8皿分、よく知っていましたね! お見事です。ではその情報を知らない人はどう解いたらいいですか?

えっ? あっ、知らない人は…。

そんなときに使うのがフェルミ推定です。

ちょっと待ってください! カレーを実家でつくったときのことを思い出してみます。1箱使ってつくれるカレーの量はいつも家族4人が、その日の夜と翌日の朝に1皿ずつ食べてきれいになくなるんです。だからやっぱり4皿×2食=8皿分と割り出すかも。

そして 30人÷8皿≒4箱と計算式をつなげていけますね。おさらいとして「1.前提を確認する」を除き、解き方の手順に照らし合わせてみます。

 

2.自分の知っている知識を最大限に使う

1箱=8皿分だから4箱だよね?

3.理論上こうではないかと推測する

家族4人が1皿ずつ2回食べてきれいになくなるから、8皿分かな?

4.整合性がとれるように計算式を組み立てる

30人分のカレーを賄うのにカレールウは何箱要る? 8で割れば出てくる!

5.答えに近い値を導き出す

30÷8=3.75だから、はい。4箱必要!

となるはずです。

解き方は以上ですが、これはフェルミ推定ではなく、その解き方のヒントであってその域を超えません。フェルミ推定の本質は「実際に調査することが困難な数量」を概算することだからです。

実際に調査するのが難しいものとは?

「フェルミ推定 良問」「フェルミ推定 問題」「フェルミ推定 例題」でググれば、どのようなものが該当するか出てくると思います。おすすめ書籍(後述)には、どのような問題が載っているかも取り上げてみます。

カレールウの設問とは比にならないくらい複雑で、いかにカオスなものかもわかるでしょう。

インターネット上・日本国内の電柱

・東京都のマンホール

現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート・日本にいる猫

・東京都の鳩

・キヨスク1店舗の1日の売上

フェルミ推定力養成ドリル・この瞬間、鼻をほじくっている人

・自動車と人力車の燃料相対コスト

・大陸移動の運動エネルギー

やだ何、鼻をほじくっている人って!(笑) ほんとカオスですね! 確認ですけどこれって、正確な数字までは求めなくてもいいのですよね?

そうですね。 「フェルミ推定力養成ドリル」にも次の記載があります。
“1/10~10倍以内に収まる答えを推定できるようになることを目指すにとどめます”

 

ですから完璧ではなくても大丈夫なのです。ちょうどいい数値が理想ですが、大きすぎても、小さすぎても構わないのです。そんなフェルミ推定の問題を実際に解きたい、学んで対策を講じたい方に向け、おすすめの書籍をご紹介しておきます。

フェルミ推定、おすすめ書籍

現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート―「6パターン、5ステップ」でどんな難問もスラスラ解ける!

ケース問題対策本と同じ東大ケーススタディ研究会著、東洋経済新報社が出版したものです。フェルミ推定の基本体系、各問を解く過程もわかりやすく書かれています。今回Kindle版で内容確認しました。1,128円(2019年5月29日現在)

フェルミ推定力養成ドリル

ローレンス・ワインシュタインほか著、今年4月に草思社文庫から出されたばかりの本です。文庫サイズでカバンにしのばせて持ち歩くことができます。正直カオスな難問が多く難解な桁数も出てきますので、おそらく理系学生でも数学がずば抜けて得意な方でないと理解は困難と感じます。しかし考え方のヒントとして読むだけでもいいと思います。980円+税

最後に聞きたいことがあります。企業はケース問題やフェルミ推定で私たちの何を判断しているのですか?

いい質問ですね。それは最終章でまとめ、説明いたします。

 

まとめ:ケース問題・フェルミ推定で企業は「考える力」を見ている

未納会費とカレールウの問題。これらはサークルが舞台でしたが、社会人の問題の多くは仕事上が舞台です。

入社後、将来的に事業の中核的役割に就くこともあると思いますが、事業遂行上、必ず大小の問題が発生します。

  • 開発で思うような成果が得られない
  • 生産に必要な原材料が高騰
  • 販売実績が伸びない

など…。もちろん実際に頭を悩ませ解決していくことが求められます。そういった問題解決力は、ケース問題で試されます。また下図をご参照ください。

事業領域予想される支出
開発調査費、研究費、試作費など
生産工場費、設備費、原材料費など
販売広告宣伝費、販促費、輸送費など

もちろん上記には会議費や人件費など共通項となる数字も存在しますが、事業には予算が必要で、各項どのくらい必要か考え、予算組みすることが求められます。フェルミ推定問題ほどの難解な数値ではありませんが、予算組みする力はフェルミ推定で試されます。

どちらも考える力を見ているわけです。

セイジさん、企業が考える力を見ることはわかったのですが、考える力を発揮するためにいちばん大切なことは何ですか?

そうですね…。やはり習慣化ですよね。継続こそ力です。

外資系企業やコンサルティングファームはもちろん、どこの企業に入社しても社会人1年目から、物事を推定したり、問題解決を求められたりします。そのため普段から考えるよう習慣化しておくと、ライバルに大きく差をつけることができるでしょう。

不断の努力で身に付いた「考える力」はきっと、就職活動、入社後も強みとなるはずです! この記事を読んで終わりではなく、ぜひ毎日、演習問題に取り組まれてみてください。

この記事の参考書籍

  • 東大生が書いた 問題を解く力を鍛えるケース問題ノート 50の厳選フレームワークで、どんな難問もスッキリ「地図化」! 東大ケーススタディ研究会著、東洋経済新報社
  • 現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート―「6パターン、5ステップ」でどんな難問もスラスラ解ける! 東大ケーススタディ研究会著、東洋経済新報社
  • フェルミ推定力養成ドリル ローレンス・ワインシュタインほか著、草思社文庫

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