リスニングで聞き取れない理由はなんでしょう?

一概に“聞き取れない”とはいっても、原因はいくつかありますが、理由は次の2つに大別されるのではないでしょうか。

  1. 音自体聞き取れていない。
  2. 聞き取れても意味が分からない。

音が聞き取れない理由にも、その単語自体を知らない、音の連結や消失のルールを知らない、などが挙げられるでしょう。

音声だけ聞くと分からない所だらけなのに、スクリプトを見たら簡単な英文だった、というのも音が聞き取れていないためです。

「なんとなく言っている事は分かる」程度の理解ではなく、自分が聞き取れていない部分をきっちり確認することが出来るのがディクテーションです。

今回は、リスニングが苦手な人に是非試していただきたい、ディクテーションを紹介します。

ディクテーションとは?

ディクテーションとは、スクリプトを見ずに、聞こえた英文を書き取っていく方法です。

スクリプト付きの音源を用い、聞こえなかった箇所を何度も繰り返し聞きます。

これ以上聞いても無理!となるところまで聞いてからスクリプトで答え合わせをしていきます。

 

ディクテーションのメリット

ディクテーションをすると、確実にリスニング力がアップします。

聞き取れない部分をスクリプトでチェックし、「なるほど!」と思うだけでは不十分です。

ディクテーションをすると、どこが聞けてどこが聞けていないのか、単語単位で分かります。

ディクテーションでは聞き取れない所をしつこく聞き直します。ああでもない、こうでもないと考えて単語を予想し、文法的にはどうかと知識を総動員するため、かなりの集中力を要します。

そのぶんスクリプトをなんとなくチェックしていた時と比べ、得られる効果も大きくなります。

また、ディクテーションの効果で、センテンスを読む際に音の強弱に敏感になります

しばらくディクテーションを続けていくとわかると思いますが、「読めば簡単な英文なのに聞くと分からない」文章では、音の連結や消失に慣れていないという理由があります。

例えば文章中に”at the station” とあった場合。聞き取れないのは、atがアットとは発音されず、アッザステイションとat the が連結しているためです。

また、stationのエイ部分が強調され、スが聞き取りにくいこともあります。

 

ディクテーションをすることで、このような音の連結に何度も遭遇するため、だんだんと消えた音に紛らわされずにその単語が聞こえてくるようになるのです。

また、自分で発音する時も、消える音、連結する音のルールが分かってくるので、英語らしい音に近づきます。

手書きでディクテーションをすることにより、スペリングの練習になるのも良い点の一つです。

日頃、メールや文書など、パソコンで入力することが多いのではないかと思います。

うろ覚えの単語など、いざ手書きで書こうとすると恐ろしい程のスペル間違いだらけ!ということになりかねません。

パソコンのオートコレクション機能に慣れてしまうと、こんな簡単な単語も忘れてしまったのか、と驚くことがあります。

たまにはディクテーションで、自分の手を動かすこともよい訓練になります。

ディクテーションをすることで、音の連結、消失のルールや強弱が分かり、リスニング力がアップします。また丁寧に書き取ることで、スペリングの練習にもなります。

メリットの多い学習法ではあるのですが、ディクテーションをするには時間がかかります。

机に座ってしなければならないため、ちょっとしたスキマ時間では出来ませんし、なかなか敷居が高いのではないかと思います。

 

ディクテーションのコツ

ここまでは、ディクテーションのメリットを紹介しました。

ディクテーションを続けると、確実にリスニング力がアップします。

ところが、ディクテーションをするには、かなりの集中力を要するため、力がつくと分かってはいても、なかなか取り組めない方もいらっしゃるのではないかと思います。

ディクテーションに慣れないうちは、1分程の素材でも書き取りに30分かかることもあります。

自分のレベルに合った素材を選び、毎日繰り返し練習することで次第に慣れてきます。

たくさんの量をまとめて出来る勉強法ではありませんので、少しずつでも毎日練習することが大切です。

今回は、ディクテーション素材の選び方、実際のやり方について紹介します。

 

ディクテーション素材の選び方

挫折しないためには、自分にあったレベルのものを選ぶ事が大切です。

  1. やさしい内容のもの
  2. 1分程度の短い内容のもの

を選ぶと良いでしょう。

 

 

初心者の方:TOEIC用問題集のPart1、Part2がお勧め

TOEICのPart1は写真描写問題です。人物の動作や風景などについて4択の短い英文音声が流れます。1題30秒程度なので、リピート再生する時にも便利です。

TOEIC Part2では、質問1つに対し、選択肢3つが読み上げられます。

こちらも1題30秒以内です。TOEICのリスニング問題は、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ発音が含まれているため、どのアクセントでも対応出来るよう練習することが出来ます。

TOEIC問題集であれば、音声もスクリプトもついていますので、難易度、リスニング素材の長さともに初心者用ディクテーション素材として優れているといえるでしょう。

 

「英語の壁」はディクテーションで乗り越える!

初めてディクテーションをする人向けに、段階を追ってディクテーションのやり方を説明しています。

アルクの1000時間ヒアリングマラソンの素材を使用しており、ヒアリングマラソン受講者が間違えやすかった部分の解説なども充実しています。

この本では、リスニングが困難な理由を「4つの壁」として説明しており、速度の壁、音声語彙の壁、音の変化の壁、語順の壁を段階を追って克服していく仕組みになっています。

手順を親切に教えてくれるのが長所ですが、ディクテーション素材はTOEICよりもだいぶ長めです。

Amazonで中身検索が出来ますので、英文のレベルを確認してから購入したほうが良いと思います。

 

ディクテーションの実践方法・手順

用意するもの

  • ディクテーション用音声
  • スクリプト
  • 筆記用具(ペンまたは鉛筆は芯が太く滑らかに書けるもの。)

これらを用いて以下の手順でディクテーションを行っていきます。

 

①リピート再生しながら聞き取れた箇所を書き取る

何十回も聞きます。分からない所は単語の数だけアンダーラインを引いておきます。

スクリプトチェック後に注意点を書き込むため、行間は詰めずに一行おきに書きとりましょう。

これ以上聞いても分からない!という箇所は、最後は聞こえたままの音を書いておきます。

例えば、Vietnamese (ベトナムの)、という単語が正しく聞き取れなかったとします。ヴィ〜〜 と最初の音だけでも聞こえたら、bet でも ve でも良いので ve  と書き取っておきます。

後でスクリプトをチェックした時に、どのように間違ったかを知る手がかりとなります。

 

②文法的知識を使って予想してみる

これ以上分からないところまで聞き、空欄は聞き取れる音だけでも書き込んだら、今度は文法的知識を総動員して分からなかったところを予想してみます。

例えば、日付の Octoberの前が聞き取れなかったとしたら、月の前だから in? もしくは10/28 と日にちまであれば on? などです。

純粋に耳だけではなく、文法的に予想して書いた単語には二重線でアンダーラインを引くなどしてマークをしておきます。

 

③自信のない箇所を意識的に集中して聞く

先ほど文法的に予想した箇所を、予想した単語を念頭に置きながら聞いてみます。

 

④スクリプトをチェックする

聞き取れなかった箇所が、知らない単語だから聞き取れなかったのか、知っているのに聞こえなかったのかをチェックします。

前置詞や冠詞など、弱く発音されたために聞き取れなかった箇所、音の連結のために全く聞こえなかった箇所があれば、次に聞く時に特に注意して聞くようにします。

知らない単語があれば調べ、この際覚えてしまうよう努力します。

 

⑤スクリプトを目で追いながら音声を流す

スクリプトを読みながら音声を流します。この時、“聞き取れなかった箇所”の印であるアンダーライン、二重線の所は特に注意して聞きます。

 

⑥シャドーイングや音読をする

音声に少し遅れて読む「シャドーイング」の練習をします。

発音やイントネーションがCDと同じように出来るようになればその後の音読がより効果的になります。