清涼飲料業界の動向・年収・大手企業の調査・比較【2014年度】

業界研究

飲料業界の概念は、一般的に言うと、飲料のうち、アルコール飲料、乳、乳酸品を除いた、清涼飲料全般を扱う企業を指して言います。

私のようなSEは室内で長時間缶詰で、口が寂しくなるためよく飲み物を買いに行きます。そんな私と大変縁がある飲料業界について纏めてみました。

飲料業界の概要

日本の清涼飲料の起源は、嘉永6年(1853)米国のペリー提督が来航した際、飲料水としてレモネードを持参し、その製法を学び、長崎の商人が「レモン水」として発売したことが始まりとされています。

産業としての草分けは、明治元年(1868)、横浜のノース・アンドレ―商会が、レモネードやジンジャーエールを製造したことが起源となっています。

そして「三ツ矢サイダー」「リボンシトロン」「バヤリースオレンジ」などがその後の果実飲料市場拡大の先駆けになったと言われています。

 

本格的な清涼飲料時代を迎えるのは、昭和32年(1957)「コカコーラ」や「ペプシコーラ」が発売されたことと言えましょう。

昭和36年(1957)10月にコーラ飲料の原液輸入が、完全自由化になり、清涼飲料市場が拡大、清涼飲料が市場に定着し、清涼飲料時代を迎えることになります。

20012年の市場規模は、約3兆6000億円となり、多岐に渡る商品が開発されています。

 

カテゴリー別に見ますと、コーヒー飲料が最も多く、全体の26%占める9500億円、炭酸飲料が15%で5300億円、12%、4500億円で緑茶飲料が続いています。

また最近の傾向としてミネラルウォータ―の伸びが顕著になっています。飲料各社は、毎年競って多くの新商品を出していますが、翌年まで残るのは、約1%と言われています。

 

それだけヒット商品が出ないと言うことです。

一社が出したヒット商品があると、、各社それに類似した商品を出すのがこの業界の特徴と言えましょう。

 

販売チャネルは自動販売機とコンビニ、スーパーなどの卸が中心となります。

自動販売機については、一昔前までは、約30万円で購入してもらい設置していましたが、それがリースになり、現在では無料で設置するなど大きく変わってきています。

 

自動販売機台数は、、コカコーラが圧倒的に多く、次いでサントリーの2社が大半を占め、次いでキリンビール、アサヒビール、サッポロなどのビール会社が続きます。

それ以外では、断トツで伊藤園、ダイドードリンコ、などです。この自動販売機の展開は、売り上げだけでなく、自社のブランド育成にも大いに貢献しています。

 

例えば、コカコーラの「ジョージア」やサントリーの「ボス」伊藤園の「おーいお茶」など全国津々浦々まで浸透しており、売り上げが伸びているブランドと言えましょう。

今飲料業界も吸収・合併・業務提携などの再編の波が押し寄せ、新しい業界地図に塗り替えられています。

今後も飲料業界の再編は続くものと見られています。どこが残るのか、サバイバル戦争はまだまだ続くものと予想されます。

 

飲料業界企業一覧

  • サントリー食品インターナショナル
  • 伊藤園
  • コカ・コーラシステム
  • ダイドードリンコ
  • アサヒ飲料
  • キリンビバレッジ
  • ポッカサッポロフード&ビバレッジ
  • ヤクルト本社
  • 大塚製薬
  • カゴメ
  • 日本たばこ産業

 

主な飲料メーカー

【サントリー食品インターナショナル】

部門売上高6887億円 販売数量3億9200万ケース 平均年収933万円(38歳)

サントリーホールディングスの中核となる子会社です。国内飲料は、コカ・コーラシステムに次いで第2位です。

欧州、東南アジア、オセアニア中心に海外展開を積極的に行っています。

国内は、PETボトル軽量化などで、費用削減を継続しています。

一方海外では、企業買収に本格的に乗り出し、海外展開拡大を進めています。

英国GSK2106億円で2ブランド買収、アフリカ展開へのつなぎとするなど、積極展開が目立ちます。

主な商品は、サントリーウーロン茶、BOSS、DAKAA,サントリー天燃水、伊右衛門などです。

連結事業は、飲料・食品100となっています。

 

【伊藤園】

売上高4040億円 販売数量2億1695ケース、 平均年収538万円(35歳)

茶葉製品・緑茶飲料の最大手です。飲料業界で数少ないルートセールスを徹底化しています。

他のメーカーがベンダー施行の中、自販機などは自社で直接行う、ダイレクト販売が特徴の会社です。

お~いお茶、缶コーヒーを中心に、主力の飲料は、好調な売れ行きを示しています。

14年2月は、お~いお茶25周年を機に、キャンペーンを実施、主力商品の販売強化に努めるとともに、東南アジアの市場開拓に本腰を入れてます。

主なブランドは、充実野菜、健康ミネラル麦茶などあります。

連結事業は、リーフ・ドリンク関連94、飲食関連5、その他1となっています。

 

【ダイドードリンコ】

売上高1489億円 平均年収652万円(42歳)

自販機の台数や缶コーヒーの販売で、業界第3位です。

同社の特徴は、売り上げの約90%が自動販売機で占めています。

連結事業は、飲料販売88、飲料受託製造7、食品製造販売4となっています。

 

就職・転職へのアドバイス

飲料業界の就職・転職共に、最初は、ルートセールスやとびこみ販売、自動販売機の商品の入れ替えなど、初めは仕事の中心となるところが多いようです。

自販機設置獲得も大きな仕事の一つです。それには体力も必要で、慣れるまでは大変ですが、コツを覚えると逆に興味ある、やりがいのある仕事と言えましょう。

コメント