放送業界の動向・年収・大手企業の調査・比較【2017年度】

私たちを楽しませてくれるテレビやラジオの放送…

もちろん、芸能人や著名人といった出演者だけではなく、多くのスタッフ、関係者で番組は作られていきます。

今回は、放送業界の基本情報、今後の展望、民放キー局、年収、転職・就職のアドバイスをお伝えいたします。

放送業界の基本情報

放送業界は、主にテレビ局・ラジオ局が舞台となります。

ドラマやバラエティー番組を見るかぎり自由な印象を受けるのですが、放送法という法律で取り締まられているほか、制作番組が放送倫理・番組向上機構（BPO）で審議されることもあります。

放送業界のトップといえるのは、やはりNHK（日本放送協会）です。

NHKは、公共の福祉・文化の向上に寄与するため設立された公共放送事業体で政府から独立。契約者受信料によって運営されています。国営放送ではありません。

公共放送に対するのが民間放送（民放）で、スポンサー収入などで運営しています。日本民間放送連盟（民放連）の会員となっているのは206社です。内訳は、以下のようになっていますが、そのほか衛星放送局は12社あります。

テレビ

テレビ局ですが、民放キー局とネットワークに属するローカル局のほか、ネットワークには属さない独立放送局があります。また、歴史的経緯や組織体制などから新聞社も密接に関わっています。

テレビには地上波放送と衛星放送があり、後者はさらにBSとCSに分かれます。BSは放送衛星、CSは通信衛星が用いられています。

ラジオ

ラジオは、以下の5つのラジオネットワークがあり、これらに属するラジオ局、そのほか独立放送局や短波放送局があります。

AMは中波帯周波数が使われており、カバーしているエリアは広いものの、電波や障害物の影響を受けやすいとされています。FMは超短波放送といわれ、カバーしているエリアは狭いものの、雑音が少なく夜間混信もほぼないのが特長です。

現在、AMは、ワイドFMによる補完放送もスタートしているほか、AM・FMともにradikoなどインターネットを介しサイトやアプリで放送が聴けるようになっており、ラジオがなくても楽しめるようになっています。

放送業界　～今後の展望～

放送業界の今後の動向を語るキーワードは『総合視聴率』『4K・8K実用放送』です。

総合視聴率

民放キー局は昨年、広告主団体・日本アドバタイザーズ協会に対しテレビ広告取引の指標見直し（指標としてタイムシフト視聴を加えるなど）を要請しました。

2016年からタイムシフト視聴が仲間入りし計測されています。それまではリアルタイム視聴の測定値のみでした。

タイムシフト視聴は、録画して観ることです。ただし集計期間は7日間となっており、以降カウントされないようです。

今現在、YouTube、AbemaTVといったテレビ局以外の放送コンテンツの台頭で特に若者のテレビ離れが進んでおり、放送業界にとって厳しい現状であるといえます。

スポンサーも多額の広告料を支払うため、シビアに評価せざるを得ません。視聴率はスポンサー収入に大きく影響します。各局いかに視聴率を獲得できる番組を編成していけるかが今後生き残るカギです。

4K・8K実用放送

BSと110度CSにおいて2018年12月からスタートするのが4K・8K実用放送です。

総務省によると、4K・8K放送は、現行のハイビジョン（2K）を超える画質による放送で、立体感・臨場感のある映像が楽しめるとしています。

4Kは現行ハイビジョンの4倍、8Kは16倍の画素数です。放送業界を志す方は知っておくべき事柄です。

放送業界主要企業と年収一覧（各社有価証券報告書より抜粋）

民放キー局5社の社員の状況ですが、平均年齢は47.2歳、平均勤続年数は19.4年、平均年収は1464万円でした。詳しくは下図のとおりです。

放送業界を代表する企業（民放キー局）の基本情報

日本テレビ

日本で第1号となるテレビ放送免許を持っているのが日本テレビです。『ZIP!』『スッキリ』『ヒルナンデス!』などを放送しています。

タツノコプロをグループ傘下にし、海外チャンネル事業GEMを手がけるなど話題となっています。

テレビ朝日

日本教育テレビ（JOEX-TV）として誕生した同局は現在、『グッド!モーニング』『羽鳥慎一モーニングショー』『ワイド!スクランブル』などを放送しています。

テレビ東京

東京12チャンネル（通称）として開局した同局は現在、全国主要都市をカバーするTXNネットワーク（6局）を擁し、『YOUは何しに日本へ？』『ガイアの夜明け』『カンブリア宮殿』などを放送しています。

TBS

ラジオ東京からスタートし、のちにテレビに参入。日本初のニュース系列「JNN」を結成したのはTBSです。現在、『あさチャン！』『ビビット』『ひるおび！』などを放送しています。

フジテレビ

『月9』『笑っていいとも！』『オレたちひょうきん族』などヒット番組を生み出してきた同局は、2004～2010年、視聴率年間三冠王を獲得しています。

参考文献

転職・就職のアドバイス

今回は、テレビ局の仕事にクローズアップします。日テレの採用情報を参考にお伝えしますと、

の3つに分かれています。

たった3部門ですが、各部門を構成する組織、部署、役割は多岐にわたります。適材適所という言葉があるように、新人時代は希望する部署や役割に就けない可能性もあります。

それでも、放送業界で頑張るんだという根気強さや、どのような仕事もそつなくこなせる適応力も必要です。

放送業界では、ピンポイントに何をしたいかという最終目標は大事にしつつ、どんな仕事にも挑戦しようという心構えが求められます。

放送業界を志す方に役立つ就活支援サイト

全国のテレビ局・ラジオ局の魅力は、民放連とマイナビがタイアップして運営しているサイトです。先輩紹介や基礎知識は必見です。

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