日本の石油産業は、資源開発企業と精製・販売企業に大別されます。
後者は、日本には大規模な油田がないため、主に精製と販売で発展してきています。
資源がないにも関わらず成功を収めている石油業界ですが、今回は動向と就職・転職の動向を纏めてみました。
石油業界の概要
第二次大戦で、石油精製施設の大半を失い、資金も石油供給源もなくした日本の石油産業は、外国石油企業を頼ってきました。産油国から、石油製品でなく、原油を輸入し、国内で精製、石油製品にする「消費地精製主義」が、石油産業政策の基本です。
これは石油製品よりも原油のほうが調達しやすく、価格的にも安いからです。
高度経済成長期で、急増した石油需要は、2度の石油危機を経て、1970年代から減少傾向に入ります。
1980年代には、原価格の急落もあり、原則として自由化すると言う方向に転じてきました。その結果、石油元売り業者は再編に次ぐ再編の時代へ突入することになりました。
日本の石油事情は、1983~1996年までは、増加傾向で推移しましたが、1997年以降重油の需要減少により、減少傾向に拍車がかかります。
しかしガソリン需要は増加傾向にありました。2002年以降、ナフサ・ガソリンが需要増加傾向にありました。
こうした過程を経てきた石油産業の現況は、原子力発電所の稼働停止の長期化で、火力発電用重油・原油の需要が増加し、ガソリンや軽油などの需要減をカバーする状況が続いています。
産業界や家庭での石油需要減の傾向は続き、石油元売り企業は、精製設備の閉鎖・廃止に踏み切り、過剰設備対策を取っていると言うのが現状です。日本の石油製品の内需は、350万バレルです。石油精製能力は約450万バレルと言われています。
こうした状況を踏まえ、2013年、コスモ石油が香川県の坂出製油所を廃止したのを皮切りに、各元売り企業の精製工場の閉鎖・廃止が続いています。JX日鉱日石エネルギーの室蘭、出光興産の徳山、などです・
一方最近の自動車離れや、エコ自動車の発展で、今後のガソリン需要の伸び悩みは続くものと思われル中、ガソリンスタンドの(GS)の運営会社の再編が進行しているようです。
25兆5000億円を売り上げる石油精製元売り会社は、これまで欧米メジャーに多くを頼るシステムを、これまで進めてきたがここにきて、政策変更を迫られているのは確かです。
今後資源開発への投資を増やし、商社や電力・ガス企業とも共同で、石油・ガス権益の獲得に進む方が業界の安定につながるのではないでしょうか。
石油業界の平均年収は、他の業界と比べて高く750~1000万円となっています。
石油業界一覧
石油・精製元売り
- JXホールディングス
- 出光興産
- コスモ石油
- 東燃ゼネラル石油
- 昭和シェル石油
- 太陽石油
- キグナス石油
- 三井石油
石油精製・元売り大手
【JXホールディングス】
11兆2195億円 営業利益2515億円 平均年収1178万円(44歳)
石油元売り最大手です。同社は、新日石と新日鉱ホールディングスの経営統合で誕生した会社です。
子会社に、100%出資のJX日鉱日石エネルギー、名古屋が本拠地のガソリンスタンド大手一光、などがあります。
石油化学は堅調、開発も円安で手堅いのですが、石油製品が利幅悪化で先行き不安が伴います。
チリでのカゼロネス開発事業は、1月から銅精鉱の生産を開始しています。
パプアニューギニアのLNG生産計画は、14年中に生産開始の予定です。
連結事業は、エネルギー86、石油天燃ガス開発2、金属8、その他4となっています。
【出光興産】
売上高4兆3747億円 営業利益1107億円 平均年収944億円(43歳)
民族系の石油精製元売りの大手です。石油化学面でも上位を占め、北欧などで、上流の石油開発を手掛けています。
石油製品など前期好調の反動で、下降気味ですが、石油化学のスチレンモノマーなど予想より大きな伸びを見せているようです。
北欧では、ガス・原油貯蔵・輸送を行うペトロガス社に33パーセント出資で契約し、シェールガスへの布石をうっています。
連結事業は、石油製品83、石油化学製品12、資源4、他2となっています。
【コスモ石油】
3兆1667億円 営業利益524億円 平均年収742万円(42歳)
石油精製元売り大手です。石油開発を中心に成長してきました。石油化学、風力発電も手掛けて、多角化を進めています。
石油製品は、上期市況低迷で、鈍化傾向です。開発もアブダビ石油の生産量鈍化傾向が続いています。
そのため、三井石油傘下の極東石油と千葉製油所の共同事業を検討中です。
連結事業は、石油98、石油開発1、他1となっています。
就職・転職へのアドバイス
就職・転職のアドバイス仕事探しは、1つに頼るのではなく、あらゆる機会を利用して行うのがベターでしょう。
自分二合った求人情報はどこにあるかわかりません。新聞や給仕情報誌に頼るだけでなく、人材紹介会社やインターネットの求人サイトもあります。
複数の会社に応募し、自分のライフスタイルに合った気義x帳を探しましょう。採用が決まらないからと言って投げ出すことがないよう、常に前向きに、積極的に行動してください。
石油業界は、現在低迷していることもありますが、状況の変化で好転することもあり、将来有望な産業の一つです。
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