コンサルティング業界の動向・年収・大手企業の調査・比較【2017年度】

業界研究

今回は、高年収コンサルタントが多数、活躍するコンサルティング業界についてお伝えします。

コンサルティング業界は40歳モデル年収が1240万円。コンサルタントとして働き稼ぎたいと考えている方もいるでしょう。

私も、コンサルティングで稼ぐことを考えていた時期がありました。

この記事でわかること

  • コンサルティングファームの種類とその内容及び主要企業
  • コンサルタントの役割、求められている能力
  • 第4次産業革命

 

コンサルティング業界の基本情報

コンサルティング業界は、好調です。

IDC Japanの国内コンサルティングサービス市場予測によると、2016年の国内コンサルティングサービス市場規模は3,625億円で前年比107%と拡大しています。

とくに第4次産業革命の恩恵だと思われますが、デジタル※関連コンサルティング市場規模は、前年比140.3%の約1,200億円です。全体の3分の1がデジタル関連です。

※クラウド、ビッグデータ/アナリティクス、モビリティ、ソーシャル技術といった「第3のプラットフォーム」の導入/活用

コンサルティング業界は、少し特殊で、会社を「ファーム」と呼ぶ文化が根付いています。

コンサルティングファームの種類一覧

  • 戦略系
  • 国内型
  • シンクタンク系
  • 人事系
  • 会計事務所系
  • IT系

具体的な内容及び企業名については、後述します。

コンサルタントの役割

コンサルティングは、専門家として相談、指導し、企画・立案のお手伝いをすることです。

コンサルタントは、コンサルティングファームまたは独立起業して実際に“クライアントの支援をしている人”を指します。

相談・指導だけではなく、コンサルタントはときにクライアントの内部に入り込み経営・事業に関わりながら支援を行い、課題解決へと導きます。

コンサルタントの主な業務

  • 課題を明確にする
  • 解決策を提示する
  • 事業計画や実践メニューを作成する
  • 社員への教育研修・指導

このようにして、クライアントに「成功体験を提供する」のがコンサルタントの役割です。

 

コンサルティング業界 ~今後の展望~

コンサルティング業界の今後の展望について、重要なキーワードは『第4次産業革命』です。

第4次産業革命

第4次産業革命とは、IoTビッグデータ人工知能AIに絡む今まさに起こっている技術革新です。この革命で、

  • 大量生産・画一的なものではなく個に向けカスタマイズされたサービスの提供
  • 既にある資源や資産の効率的活用
  • AIやロボットによる労働補助・代替

などの可能性が広がりはじめています。

 

第4次産業革命による技術革新の事例としては、

  • メーカーの自社製品稼働状況データを活用した保守・点検
  • ウェアラブル機器による健康管理、オーダーメイド治療
  • 民泊サービスといったシェアリング・エコノミー
  • AI自動運転の試行実験
  • フィンテック(FinTech ITを活用した金融サービス事業)

などが挙げられます。

フィンテックについては銀行業界の動向・年収・大手企業の調査・比較【2017年度】で詳しく説明しています。

第4次産業革命は、経済活動や働き方、ライフスタイルを変え、超スマート社会への移行を促進しています。しかし、日本企業のIoT導入状況は20%程度であまり進んでいないのが現状です。

サイバー大学客員講師・伊本貴士氏は、第4次産業革命時代に最も価値の高い職業としてデータサイエンティストを挙げています。コンサルティングファームのなかには、すでに経営コンサルタントとしてのデータサイエンティストの採用に取り組んでいるところもあります。大容量データの分析やモデル構築が主業務です。

第4次産業革命が続くかぎり、

  • IoT導入提案
  • ビッグデータ分析による問題解決
  • AI・ロボットによる事業効率化

において、コンサルティングファーム・コンサルタントは必要不可欠です。

 

コンサルティングファームの種類、内容、主要企業、年収(有価証券報告書より)

戦略系

戦略系ファームは、主に企業経営に関する戦略を成功させることがミッションで、経営課題の解決を担います。

コーポレートビジョン、中期計画の策定、マーケティング、新規事業開発、BPR※、組織や人事にまで切り込みます。

さまざまな業界のクライアントの戦略に関わり、経験を積むことになります。

※BPR=業務改革。具体的には既存業務の内容やフロー、組織構造、ルールの見直し、再設計。

主な戦略系ファーム

  • マッキンゼー・アンド・カンパニー
  • ボストンコンサルティンググループ
  • ベイン・アンド・カンパニー

 

国内型

戦略系でご紹介したマッキンゼー、ボストン、べインは、いずれも外資系企業ですが、日本で誕生し発展してきたファームもあります。

国内におけるコンサルティングだけではなく海外進出支援や現地法人への支援も提供しています。

主な国内型ファーム

  • ドリームインキュベータ 1066万円
  • 船井総研ホールディングス 664万円
  • タナベ経営 692万円

 

シンクタンク系

シンクタンク(think tank)は、頭脳を駆使する専門家集団といえます。さまざまな分野の研究者が在籍する機関です。広領域の課題を抱えている企業がクライアントとなりえます。将来予測などの提言をすることもあります。

人材紹介エージェントのコンサルタント転職は、“大手証券会社、メガバンクなどを親会社に持ち、大手企業グループの総合力をいかした活動に強み。民間企業向けの経営コンサルティング、官公庁向けのリサーチ、SI業務など幅広く行う。”と説明しています。

主なシンクタンク系ファーム

  • 三菱UFJリサーチ&コンサルティング
  • 野村総合研究所 1151万円
  • 三菱総合研究所 975万円

 

人事系

人事系は、人事制度の設計、組織の変革など人に特化したコンサルティングを行います。

主な人事系ファーム

  • マーサージャパン
  • ウイリス・タワーズワトソン
  • リクルートマネジメントソリューションズ

会計事務所系

会計監査法人から派生しコンサルティングファームとして分離・独立したのが会計事務所系です。

収益性改善、コスト削減、組織体系刷新を得意とします。

主な会計事務所系ファーム

  • EYアドバイザリー・アンド・コンサルティング
  • デロイト トーマツ コンサルティング
  • KPMGコンサルティング

IT系

業務システムのIT化が得意なのは、間違いなくIT系ファームです。ITコンサルタントは、戦略の立案など多岐に亘る業務を担当します。

業務例

  • CRM(顧客関係管理 顧客を中心に置き戦略やプロセスを考えること)の構築
  • SCM(供給から消費までの流れを見直し効率化などを実現させる手法)の構築
  • 業務設計、システム設計、開発、テストといったシステム導入に関する企画マネジメント

ITコンサルは、キャリア的には魅力的ですがデメリットもあり、最終的に社内SEに落ち着く方もいます。その理由は大手ITコンサル・SIerを辞めて社内SEになる人の実例でご確認ください。

主なIT系ファーム

  • アビームコンサルティング
  • 日本IBM
  • アクセンチュア

 

参考文献

  • 内閣府ホームページ 第4次産業革命のインパクト
  • 日経業界地図2018年版 日本経済新聞出版社
  • 会社四季報業界地図2018年版 東洋経済新報社
  • コンサルタント転職(人材紹介会社ムービン)ホームページ

 

転職・就職のアドバイス

コンサルタントに求められるのは?

クライアントだけではどうしようもできない課題を解決する能力が、コンサルタントには求められています。

ただし、能力だけあればいいということではなく、顧客から見て、信頼できる人物であること、秘密を守れる人物であることが必要で、また、クライアントを思いやれる人間力も求められます。そこを面接官は面接等で眼光鋭く見ます。

人間力を磨く方法ですが、まずは、大和ハウス工業代表取締役会長兼CEO・樋口武男氏による五訓

一、自己益を忘れ、会社益を想え

二、嫌な事実、悪い情報を包み隠さず報告せよ

三、勇気をもって、意見具申せよ

四、自分の仕事に非ずというなかれ 自分の仕事であるといって争え

五、決定が下ったら従い、命令はただちに実行せよ

を実践するのがいいでしょう。

また、今後の展望でもお伝えしたとおり、今まさに第4次産業革命がトレンドとなっています。関連知識を吸収することで、ライバルに差をつけることができます。

もちろん、前提として、

  • 企画力
  • 立案力
  • プレゼンテ―ション能力
  • PCスキル

が必須で、PCスキルは最低限、ワード・エクセル・パワーポイントを使いこなせるレベルです。統計やデータ分析に関する知識があればなお強いです。

 

コンサルティング業界に転職するための戦略

コンサルティング業界に強い転職エージェントには、コンサルタント転職(鋭意執筆中)のほか、KOTORAがあります。

コンサルティング業界は、頭脳明晰な方が集まっています。転職活動を行うにしても戦略が必要です。戦略を立てるためには転職を知ることです。

まずは、転職サイト・エージェントの選び方・使い方を把握するところからスタートをされるといいでしょう。

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