私たちの生活に密着した家電。テレビをはじめとする黒物家電(AV・デジタル家電)から、洗濯機や冷蔵庫、エアコンといった白物家電まで用途や目的に応じて幅広くつくられています。

今回は、家電メーカー業界の基本情報や転職・就職のアドバイスをお伝えいたします。

家電メーカー業界の基本情報

現在の家電は、ひとつの製品をとっても、価格やスペックなど、多彩な製品が各メーカーから驚くほど細かく出されています。

たとえば、一家団らんやリビングには欠かせないテレビですが、液晶に有機EL、4Kにフルハイビジョン。HDD外付けや内蔵型。サイズも8インチから100インチとさまざまです。

また、家電メーカーほど消費者の評価がダイレクトにくだされ、即座に業績にまで反映する厳しい業界はありません。

リーマンショックの影響もありましたが、パナソニックは2012~13年にかけて赤字に大きく転落し、2014年以降、黒字に転換しています。一時期、液晶テレビで好調だったシャープは2010年以降、売上は降下の一途をたどり、赤字に転落し、台湾の鴻海精密工業を率いる鴻海科技集団(ホンハイ、フォックスコン・テクノロジー・グループとも)に買収されました。

私事ですが、サイト管理人のセイジは以前シャープで働いていました。丁度赤字に転落した時期に在籍していましたが、思い出したくも悲惨な状況でした。

 

ソニーも好調だった2008年以降、翌年から赤字転落、黒字に回復したものの現在も低空飛行を続けています。また、すでに白物家電や医療機器事業を売却し経営危機に直面している東芝は、以下の記事でもお伝えしているとおり、東証2部に降格しています。

そんな家電メーカー業界市場ですが、大手家電メーカー8社(後述)の売上高の合計だけをみても42兆4440億円となっており、40兆円を軽々と超える規模となっています。

8社の社員の状況は、平均年齢42.9歳、平均勤続年数19.4年、平均年収787万円となっています。

 

家電メーカー業界 ~今後の展望~

家電メーカー業界の今後の展望のキーワードとなるのは『おひとりさま家電』です。

 

おひとりさま家電

未婚率の上昇や高齢化によって、日本の単身世帯は1,351万世帯と、全体の27%を占めるほどになっています。こうした背景を受け、単に小さくて安いだけではない単身者向け家電が人気となっています。

と、今年の夏にテレビ東京系列『ワールドビジネスサテライト』が報じていました。

また、レコードチャイナでも、単身者をターゲットにした「おひとりさま」ブームが日本で起きており、家電メーカーの多くがワンルームマンション向けの製品を次々と売り出していると報じました。

家電量販店大手のビックカメラは、おひとりさま家電Amadana(アマダナ)TAG Lineの取り扱いを開始しました。また、ROOM家電メーカー・エスキュービズムは、小型軽量設計で高さ約3cmという薄型ロボット掃除機を発売しています。

大手家電メーカーでは、日立製作所はIH炊飯器「おひつ御膳」、パナソニックは防水テレビ「プライベートビエラ」、東芝も2ドア冷蔵庫「BSシリーズ」を打ち出しています。

今後、おひとりさま家電での人気商品をいかに生み出していくかも家電メーカーの課題であり使命だともいえそうです。

 

大手家電メーカー8社と年収一覧(各社有価証券報告書より抜粋)

  • 日立製作所 849万円
  • パナソニック 781万円
  • 富士通 797万円
  • 三菱電機 795万円
  • ソニー 910万円
  • シャープ 646万円
  • 日本電気(NEC) 804万円
  • 東芝 710万円

大手家電メーカー8社(上記)の平均年収は787万円でした。詳細は、下図を参照ください。

 

大手家電メーカー 日立製作所・パナソニック・富士通の基本情報

日立製作所

電機最大手といわれている日立製作所は、IoT時代のイノベーションパートナーとなるべく、電力・エネルギー、産業・流通・水、アーバン、金融・公共・ヘルスケアという4つの分野に注力しています。

家電製品としては、冷蔵庫、洗濯機・衣類乾燥機、クリーナー、エアコン、電子レンジ、炊飯器、空気清浄機、LED照明器具・LED電球、IHクッキングヒーター、テレビなどを製品化しています。

同社は、三菱日立パワーシステムズ日立三菱水力アラクサラネットワークスにも出資しています。

基本情報

  • 売上収益:9兆1622億6400万円(国際財務報告基準)
  • 継続事業税引前当期利益:4690億9100万円(国際財務報告基準)
  • 社員数:35631名
  • 平均年齢:41.4歳
  • 平均勤続年数:18.6年
  • 平均年収:8,498,582円

 

パナソニック

松下幸之助が創業した松下電気器具製作所がはじまりとされ、2008年に松下電器産業からパナソニックに社名変更しました。ナショナルという商標は1925年に登録されたもので長い歴史があります。

同社は、家電にとどまらず、住宅・車載・B2Bにも事業領域を広げています。家電では、空調、調理、家事、美容・健康、AVに注力しています。

同社は、2009年に三洋電機を子会社化していますが、三洋電機の白物家電事業は世界最大手のハイアール(中国)に買収されています。

また、ソシオネクストJOLEDに出資しており、ソシオネクストは富士通とシステムLSI事業を統合したもの、JOLEDはソニー、ジャパンディスプレイと有機EL開発部門を統合したものです。

基本情報

  • 売上高:7兆3437億700万円(国際財務報告基準)
  • 税引前利益:2750億6600万円(国際財務報告基準)
  • 社員数:57484名
  • 平均年齢:45.3歳
  • 平均勤続年数:22.8年
  • 平均年収:7,814,911円

富士通

富士通は、1935年に通信機器メーカーとしてスタートしました。電話機を製造していた会社でもあり、いわゆる黒電話とも呼ばれる「富士形3号」は戦後の電話設備復旧に大きく貢献しています。また、スーパーコンピュータパソコン携帯電話を世に送り出しています。

現在も、タブレット、スマートフォン、カラーイメージスキャナ、エアコン、脱臭機、カーナビ、カーオーディオ、電池、ライト類を製品化しています。

富士通もまた、前出のソシオネクストに出資をしています。

基本情報

  • 売上収益:4兆5096億9400万円(国際会計基準)
  • 営業利益:1288億6100万円(国際会計基準)
  • 社員数:33095名
  • 平均年齢:43.1歳
  • 平均勤続年数:20年
  • 平均年収:7,970,455円

 

参考文献

  • 株式会社日立製作所第148期有価証券報告書
  • パナソニック株式会社第110期有価証券報告書
  • 富士通株式会社第117期有価証券報告書
  • 日経業界地図2018年版 日本経済新聞出版社
  • 会社四季報業界地図2018年版 東洋経済新報社

 

転職・就職のアドバイス

日立グループの採用情報を参考にお伝えしますと、新卒の募集職種には、研究開発、設計開発、生産技術、品質保証、システムエンジニア(ITエンジニア)、営業、経理財務、資材調達、人事総務、生産管理、法務、知的財産マネジメントなどがあり、事務職から技術職まで幅広くラインアップされています。

文系・理系、どちらの出身者にも活躍できるフィールドが用意されているといえます。

日立グループへの転職を希望される社会人の方は、経験者採用枠があるほか、新卒予定者と同等の枠組みでの採用を希望すれば職歴の有無は問わず応募することが可能なようです。

管理人のセイジが最初に入社した会社は日立製作所でした。

門が狭そうな印象がありますが、実際はかなり頻繁に経験者採用求人を出しており採用人数も多いため、転職サイトやエージェントをうまく活用すると派遣や小さい会社出身の方でも十分に内定が取れます。

ただ、大手家電メーカーの多くが、家電製品事業にとどまらず、蓄積した経験やノウハウをもとに、ときには子会社や関連会社などを設置して多種多様な事業を展開しており、家電製品とはまったく関係のない事業に携わる可能性もあります。

どうしても家電製品に関わりたいのであれば、家電量販店や家電事業だけを行っているような企業などにも目を向けてみるのもいいと思います。

また、日本の製造業、メイドインジャパンの商品は世界から高機能・高品質で信頼と人気を勝ち取ってきており、家電製品もまた例外ではありません。

そのため家電メーカーは、海外との取引はもちろん、海外に拠点や工場を持ち、世界企業として君臨しています。

そのため、海外でも活躍できるチャンスがあります。海外で活躍したい場合は、英語力が必要です。また、中国語やドイツ語、フランス語など第二外国語ができれば、もっと有利になるでしょう。

新卒入社を目指す方は学生時代に、社会人で転職を目指す方は今日からでも英語、第二外国語の勉強、強化は必須です。