ニュースなどでご存知のとおり、

  • トラックドライバーの高齢化
  • トラックドライバーの若手離れ
  • 人材不足
  • 従業員や労働者の過重労働
  • 不在時再配達

など、問題山積なのが運輸(物流)業界です。

しかし、今後、ロボット・AIの導入活用等で現場や業務がどのように変わっていくのか、個人的には興味深い業界のひとつでもあります。

今回は、そんな運輸(物流)業界についてまとめます

この記事でわかること

  • 陸運・海運の基本情報
  • オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)とは?
  • 運輸(物流)業界で活躍できるフィールド

 

運輸(物流)業界の基本情報

運輸(物流)業界は大きく、

  • 陸運
  • 海運
  • 空輸(貨物 関連記事:航空業界)
  • 鉄道(貨物 関連記事:鉄道業界)

に分かれています。ここでは、主に陸運と海運について説明をしていきます。

運輸(物流)業界の市場規模

  • 陸運: 47億1920万トン(2017年度 日通総合研究所予測)
  • 海運: 90億6443万トン(2016年 日本海事センター企画研究部)

 

 

陸運

陸運会社は、日本国内における

  • 宅配便:主に個人向けのサービス
  • 物流:小口の配達、物流は企業向けのサービスで調達や販売業務など大口の配送

の陸送を担っています。

個人向けの宅配便は、

  • インターネット通販サイトの増加
  • オークション・フリマアプリの出現

により、おおむね好調といえますが、

企業向けサービスは、国内製造業の

  • 海外移転
  • 需要の減少

などが原因で、貨物輸送量は減っています。

代表的企業としては、

  • ヤマトホールディングス
  • 日本通運
  • SGホールディングス
  • 日本郵便

があります。

 

海運

港湾に積み重ねられた大型コンテナ、高速道路を走るコンテナ搭載車を見かけたことがあると思いますが、これらは船舶で運ばれてきた、または、これから運ばれるもので、その輸送を担っているのが海運会社です。

代表的企業としては、

  • 日本郵船(NYK)
  • 商船三井(MOL)
  • 川崎汽船(“K”LINE)

があります。

日本の海運会社(上記3社)は2016年にコンテナ船事業を統合させ、ドイツや台湾の海運会社と新連合を組んで、2017年より共同運航をスタートさせています。

 

運輸(物流)業界 ~今後の展望~

運輸(物流)業界の今後の展望としては、深刻な人手不足がしばらく続き、ハイテク化などによる効率化によって落ち着いていくのではないかと考えます。

とくに、陸運の要ともいえるドライバーですが、実際は予想以上に深刻な人手不足に陥っています。

トラックドライバーの年齢比率は55歳以上が35%で25歳未満が8%となっており、トラックドライバーの高齢化と若手離れが進んでいます。

現在約82万人のトラックドライバーは、これから近い将来、約60万人にまで減ると考えられています。

一方で、物流環境は最新ハイテク化、クラウド化、働き方改革などを踏まえた効率化へとシフトしていくと予想されます。

一例として、物流施設の開発等を手掛けるプロロジスが千葉市にマルチテナント型物流施設「プロロジスパーク千葉1」を建設予定で、同社の山田社長は、ここで1000人が働く見込み、最大級のレストラン、カフェ、保育室、ビッグファンを設ける。そして、

  • スマートバースシステム
  • レセプションシステム
  • スマートメーター

を設置し、世界最新鋭物流施設を目指すと公言しています。

 

上記3つがどのようなものになるかプロロジスパーク千葉1起工を報じた記事からは読み取れませんでした。

しかし、スマートバースシステムとは、おそらく倉庫管理者やドライバーがトラックバースの利用をスマートフォンから事前予約できるようにするものではないでしょうか。

すでにそのシステムは存在し、バースはトラックが荷積み荷降ろしをする発着場所のことで、従来、トラックが到着した順に発生していた作業が、待ち時間なしで効率よく行えると期待できます。

また、レセプションシステムは受付の無人化が予想できます。

さらに、スマートメーターは、電力使用量を計測するデジタルメーターのことで、データを遠隔地に送信可、使用量を30分単位で把握、コントロールできるようになります。

運輸業界主要企業と年収一覧(各社有価証券報告書より抜粋)

  • ヤマトホールディングス 866万円
  • 日本通運 608万円
  • SGホールディングス 有価証券報告書なし
  • 日本郵便 有価証券報告書なし
  • 日本郵船(NYK) 1035万円
  • 商船三井(MOL) 969万円
  • 川崎汽船(“K”LINE) 857万円

 

業界を代表する企業の基本情報

ヤマトホールディングス

ヤマト運輸の歴史は古く大正8年の創立となっています。スキー宅急便、ゴルフ宅急便、引越らくらくパックなど顧客ニーズに応え、年間18億を超える荷物を取り扱うなど宅配便市場において圧倒的なシェアを有しています。

基本情報

  • 営業収益:1兆4668億5200万円
  • 経常利益:348億8400万円
  • 社員数:201784名(連結会社)
  • 平均年齢:36.6歳
  • 平均勤続年数:10.9年
  • 平均年収:8,669,521

 

SGホールディングス

飛脚のマークでおなじみだった佐川急便ですが、創業は戦後の1957年となっています。デリバリー、ロジスティクス、海外・国際、不動産、自動車、人材アウトソーシングなど幅広く事業を展開しています。

基本情報
※同社は2017年12月に東証一部上場したため、有価証券報告書なし

日本郵船

明治18年、郵便汽船三菱会社と共同運輸会社が合併してできたのが日本郵船です。定期船事業はもちろん、航空運送事業、物流事業も展開しています。クルーズ客船の「飛鳥」「飛鳥Ⅱ」はグループ会社の郵船クルーズが展開しています。

日本郵船・商船三井・川崎汽船の大手3社がコンテナ船事業を統合したとお伝えしていましたが、オーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)」という新会社として稼働しています。

基本情報目

  • 売上高:1兆9238億8100万円
  • 経常利益:10億3900万円
  • 社員数:35935名(連結会社)
  • 平均年齢:38.9歳
  • 平均勤続年数:13.6年
  • 平均年収:10,358,726円

参考文献

・ヤマトホールディングス株式会社第152期有価証券報告書
・日本郵船株式会社第130期有価証券報告書
・日経業界地図2018年版 日本経済新聞出版社

 

転職・就職のアドバイス

お中元の時期と夏休み、お歳暮の時期と冬休みが重なるため、学生時代に物流拠点で短期アルバイトをしてきた方もいるのではないでしょうか。

運輸(物流)業界は、トラックドライバーだけではなく、物流拠点、港湾なども慢性的な人材不足という問題を抱えています。

会社や地域によっては外国人留学生などを積極的にアルバイト採用し、人材確保をしているところもあるくらいです。

以上のことから、比較的、入りやすい業界かもしれませんが、肝心なのは長く働けるかどうかでしょう。

新卒者の入社3年以内の離職率は40%近く(運輸・郵便業)となっており、給料面や労働条件面が離職理由につながっているようです。

運輸・物流はどちらかといえば3Kに近い現場といって間違いありません。

たとえ総合職で入社したとしても、作業現場に配属され、時間と戦いながら、正確に安全に作業をすることが求められるなど、人間関係も含めしんどい思いをする時期もあるかもしれません。

給料や条件がしんどい思いに耐えられるほどの価値があるかも考慮し、進路を決めていくようにしたいものです。

また、福利厚生はしっかりとしているか、キャリアアップを支援してくれる会社なのかも見極める必要があります。

 

運輸(物流)業界で活躍できるフィールド

陸運・海運をともに展開している日本郵船の採用情報を参考にお伝えしますと、

  • 陸上職事務系
  • 陸上職技術系
  • 海上職

に大きく分けられ、国内、海外拠点で、営業・運航管理・企画・環境・法務・人事・財務・経理・システム開発などのキャリアを構築できます。

同社は、物資や情報といった経営資源を活用しビジネスを推し進めていけるような能力、また、幅広く仕事を経験し将来的にリーダーとしてあらゆる職場でマネジメントを発揮できる人材を求めているようです。

このように運輸(物流)業界は、営業からシステム開発まで活躍できるフィールドが幅広くありますので、最終的にどの分野で力を発揮したいか、自己分析結果を踏まえ、しっかりと方向性を定めましょう。

海上職志望であれば、大学3年次以降、英語の学習も進めていきたいところです。

転職し中途入社で運輸(物流)業界を志すのであれば、募集職種は自分に合っているか、これまでの業界で経験してきたことを活かせそうか、思慮することが大事です。
異なる業種や職種へと転職したい方を対象に、異業種への転職志望理由・動機の考え方をまとめて公開していますので、こちらもご参考いただけますとうれしいです。