セイジさん、飲食店やホテルが苦境に立たされるなんて思いもしませんでした…。
はい…。この状況が長く続かないことを願っています。
今回、飲食業界(外食・中食)の基本情報、主要企業と年収、動向、展望、経験者談、就職・転職のアドバイスについて以下、お伝えしていきます。
業界全体図から見た飲食業界
ねえセイジさん、飲食業界は全体図から見るとどういう立ち位置なのです?
日経業界地図では「専門店」に分類されています。
アパレル、家具、生活雑貨など衣・食・住を取り扱う分野として飲食業界もまとめられています。飲食を提供するお店は基本、ここにすべて当てはまることになります。
ちなみに飲食業界は、
中食 | ファストフード | カフェ コーヒーチェーン | レストラン ファミレス | 居酒屋 回転ずし |
の5つにカテゴライズされています。
私、すべて利用していますよ^^
たしかに私も。友人との飲み会、仕事の打ち合わせ、家族へのおみやげなどで使わない日はないかもです。
農業など一次産業(食の生産者)、食品加工などを担う二次産業そして食材を全国各地に届けてくれる運輸業など。食にまつわる業界は多数です。
また食のデジタル化も進み、飲食店の口コミサイトや宅配アプリなどを企画・運営するIT企業もまた、飲食業界を支える周辺業界といえます。
飲食業界の基本情報
・ファストフード
・ファミリーレストラン
・居酒屋
などの看板が街を明るく彩り、和洋中と豊富なメニューで家族や大切な人たちとの食事を楽しい時間として過ごせるのも飲食業界、外食産業、飲食店のおかげです。
大手チェーンは外観、内装、料理、サービスもマニュアルで細かく統一。いつ、どこのお店を訪れても同じ味、サービスが提供されます。
また近年では『中食』が飲食業界の勢力図を塗り替えつつあります。
中食(なかしょく)は外食と内食(家庭調理)の中間にあり、手間を加えずにそのまま食べられる調理済み食品のテイクアウト、宅配のことです。※詳細は後述します
スーパーやコンビニで。ここ数年とても充実してきた印象ですよね!
そんな中食に押され気味の外食産業のあゆみについてまず、お伝えしておきたいと思います。
外食産業のあゆみ
外食産業は1960年以降、高度経済成長とともに発展してきました。1970年は外食産業元年といわれています。
同年ケンタッキーフライドチキンが、大阪万博のパビリオンに登場したのを皮切りに、
・マクドナルド
・ミスタードーナツ
と現在も第一線で活躍するお店が続々とオープン。ファストフードの登場が外食産業のスタートだったといえます。
以後、成長期(1972年)~新生期(2000年~)の外食産業のあゆみについては、一般社団法人日本フードサービス協会によるコンテンツがわかりやすいため、こちらをご参照いただけますと幸いです。
そして2020年、新型コロナウイルス…。
世界中に感染拡大した新型コロナウイルスで通常時の人の流れが止まり、飲食店が苦戦を強いられました。テイクアウトや宅配などで各店、創意工夫で乗り越えようとしているのが現状です。
飲食店の労働環境
飲食店は生活に密着し不可欠な産業ですが味、価格、接客などに少しでも問題があると、その噂は意図せずとも拡散され、消費者はササッと離れるシビアな世界です。
悪い情報ほど、瞬く間に広まりますよね…。
サービス・姿勢に手を抜けない、そんな厳しさがあります。
また店長がアルバイトに暴力を振るう、学校の試験前日なのに休みをくれないといったニュースも流れ、数年前まで飲食店は(軒並み)、ブラックバイトといわれていました。
その背景には正社員は店長だけ、あとはアルバイトで賄われているといった不適切な人員配置があったと推察します。
私が個人的に聞いたお話ですが、店長は店舗全体を見ながら店員にも仕事を割り振らなければならないがなかなか目が行き届かない、また休日もお店から「問題が発生した」と連絡があることもあり休日返上、心配や不安でおちおち休めないということでした。
聞いただけでもハードワークというのがわかりますね…。でも最近あまりその手のニュース見かけなくなりましたよ?
皆無とはいいきれませんが「働き方改革」「最低賃金上昇」「外国人アルバイト投入」「デジタルによる効率化」で飲食店が変わってきたのではないでしょうか?
飲食業界の市場規模
一般社団法人日本フードサービス協会の推計によると、外食産業全体の市場規模は25兆7692億円となっています。飲食店のほか料亭やバーなども組み込まれた数値です。ちなみに料理品小売業も含めると33兆929億円となります。
売上高 | 平均年収 | |
日本マクドナルドホールディングス | 2817億6300万円 | 記載なし |
ゼンショーホールディングス | 6076億7900万円 | 6,100,000円 |
吉野家ホールディングス | 2023億8500万円 | 7,071,000円 |
すかいらーくホールディングス | 3753億9400万円 | 6,193,658円 |
プレナス(ほっともっと) | 1539億1400万円 | 5,530,000円 |
飲食業界の動向
ここ数年、飲食店ではさまざまな顧客のニーズを汲み取り各社、次のようなサービスを登場させています。
・中食
・定額制
・インスタ映え
今回はインスタ映え以外について解説します。
吉野家や塚田農場、モスフードサービスなど血糖値上昇抑制、低糖質、減塩メニューを開発、提供しています。
元はテイクアウト、お弁当やお惣菜などの調理済み食品でしたが、コンビニが一気に攻勢をかけ、トレンドとなりました。マクドナルドやガストなど大手も独自にデリバリーを展開するように。
Uber Eatsの登場が追い風となり中小・個人のお店でも手軽にデリバリーに参入できるようになりました。
「サブスク」と呼ばれ、一定月額を払い込めば期間中は財布なしで来店、飲食利用ができるサービスです。リピーター獲得、ファン固定化につながるビジネスモデルとして2018年あたりから注目されるようになりました。
飲食業界の展望
2020年春、一時的に飲食店は苦境に立たされることになりましたが、私含めみな「終息したらこれまでどおり外食したい」と考えているはずです。終息後はこれまでどおり飲食店は元の活況を取り戻す、そう信じています。中食は引き続き好調と見ています。
飲食業界の大手企業3社を比較
同社は持ち株会社でその子会社、日本マクドナルドが米国マクドナルド・コーポレーションからのライセンスに基づき日本全国のマクドナルドを運営しています。同社は多角化せずハンバーガーレストラン事業のみ展開しているのが特徴です。
経常利益:274億8700万円
関連記事
YouTuber講演家の鴨頭嘉人さんが元マクドナルドの社員で、当時のお話をよくされていて、それも参考になると思います。
同社はすき家、なか卯、COCO’S、はま寿司などを運営しているほか、関連会社にはスーパーマーケットのユナイテッドベジーズなどがあります。
経常利益:182億1100万円
社員数:11707名(外食事業)
平均年齢:37.4歳
平均勤続年数:7.5年
平均年収:6,100,000円
同社はガスト、バーミヤン、ジョナサンなどを運営しています。2006年に上場廃止。2011年にはアメリカの投資会社ベインキャピタル傘下となり経営立て直し、2014年に東証1部に返り咲きました。
営業利益:205億6200万円
社員数:5465名(レストラン事業)
平均年齢:44.3歳
平均勤続年数:17.8年
日本マクドナルドホールディングス株式会社第49期有価証券報告書
株式会社ゼンショーホールディングス第37期有価証券報告書
株式会社すかいらーくホールディングス第9期有価証券報告書
飲食業界経験者から聞いた話
今回、元パティシエ(管理職歴2年)の方から飲食店についてお話を聞けましたのでご紹介していきます。
元パティシエが語る飲食店の現状と特徴
飲食店は、
・人手不足
・ブラック
のイメージが強く、多様な問題を抱えている印象を受けがちですが働き方改革が始まり、ワーク・ライフ・バランスを取り入れる会社も増えたようです。地域限定社員など新制度を導入、新しい働き方を積極的に推進しています。
飲食店は店長やシェフが仕事を割り振り、それに盲目的に従うのが当たり前でしたが近年、深刻な人手不足で管理職、新人双方の教育に注力しています。昔よく見かけた指導という名の暴力、怒号もなく全体的に成熟してきた感じでした。
かつて料理人の世界は、厳しいといわれていましたよね…。
2019年はタピオカミルクティー、その後釜としてバナナジュースと飲食業界は次々とブームを生み出し、市場を底上げしてきています。
またUber Eats、サブスクのほか、キッチンカー(フードトラック)による営業も増えてきたことを覚えておかれるといいです。
これからも飲食業界は、これまでになかったサービス・商品をどんどん生み出していくと考えます。
元パティシエが語る国内飲食業界での働き方
長時間労働が当たり前だった飲食業界にも今、働き方改革の波が押し寄せ大手を中心に
・休日
・勤務間インターバル
など各社、見直しが進んでいます。
元パティシエが語る飲食業界への転職のしやすさ
そんな飲食業界ですが各社、店長・シェフ経験者の受け入れには積極的といえ、経験者なら転職しやすいです。店長・マネジャー経験者なら知見を活かしアドバイザー、コンサルタントとしての転職も可ではないでしょうか。
元パティシエが語る、とある飲食店での出世
入社直後
最初のうちは厨房補助や、ホール・レジでの業務を任され作業、接客を覚えます。アルバイトで入りのちに正社員となる方も多いです。また店舗清掃、オープン(開錠)、クローズ(施錠)を担当することも多く意外とハードです。
入社しばらくして
キッチンスタッフは食品、衛生、在庫管理など、接客スタッフはお客様からの予約、来店対応(受付)などを任されるようになります。
入社3〜5年
この頃になると新人指導、季節メニュー開発、材料仕入れなどを担当し、少人数の店舗では比較的早く、任されます。
そして会社上層部や店長の信頼を得られれば、シェフや副店長に昇格するチャンスも出てきます。となれば新規顧客、リピーター獲得、新サービス企画、人材育成などお店とスタッフの管理に関わります。会社によっては新店を任され開業準備など貴重な経験を積めます。
シェフやパティシエのなかには独立、転職する人もいますが、もちろん会社、お店に一生を捧げるべく上を目指す方もいます。店長まで昇りつめたいならとにかく、売上目標を達成させ、スタッフからも評価されることが大切です。
会社規模によってはエリアマネジャーなど、複数店舗を担当する本部の社員として店長と二人三脚で、店舗経営に携わるお仕事もあります。
元パティシエがキャリアの積み方をアドバイス
IT化と働き方改革で飲食業界は新局面を迎えたといえます。最近は飲食店も業務でクラウドやアプリを使うケースもあり、カンタンなパソコン操作は覚えておきたいものです。
しかし飲食業の原点、「利便性」や「満足度」を常に追求し、新しいことにも挑戦していく温故知新的なマインドがないと、キャリア構築は難しいでしょう。
そんな飲食業界で出世しやすいといえるのがマネジメント能力の高い方です。
業務の簡素化と細分化が日々進んでいますので、仕事を教えるのはアルバイトでもできるようになるでしょう。正社員は生産性向上を意識したチームづくり、人材育成に力を入れ、それが難なくできる方が出世していくはずです。特に外国人がスタッフとして入ってきています。これまで以上にコミュニケーション力も求められます。
まとめ
ありがとうございました! ここからは私が引き続き就職、転職のアドバイスをお伝えしていきます。
飲食業界への就職のアドバイス
飲食業界にはマクドナルドなどブランド直営会社のほか、
フジタコーポレーションのように
・モスバーガー
・牛角
など多数のフランチャイズに加盟している複数ブランド店運営会社もありますので覚えておくといいです。
俗に言うFC加盟店ですよね…。
また飲食業界の実情を知るのにいちばん手っ取り早い方法はネットよりも、実際にアルバイトなどでその現場に入り込んで、経験することです。
・マニュアル
・調理
・接客
などを学べ
・命令系統
・職制
・社風や文化
・職場内での人間関係
・外食業界の課題や問題点
も感じ取れるでしょう。
また『転職とキャリアアップ』では飲食店の仕事・大変さ・やりがいについて解説した記事なども公開しています。こちらもぜひ併せてご参考いただけますと幸いです。
また飲食業界の裏側を描いたドラマもありParaviで全話配信されていたりします。
飲食店で重宝される人材は
・細かいところに気を配れる
・料理・食べることが好き
・きれい好き
です。また飲食業界のお仕事についてゼンショーホールディングス新卒採用情報を参考にお伝えしますと、
総合職は、
・海外出店
・バイヤー
・企画戦略
・製造
など。用意されているフィールドは広く感じます。また職務適性だけで仕事を割り振られることはなく、希望する社内公募にも挑戦できるようです。
もちろん海外で活躍したいなら、語学力はつけておくべきです。
飲食業界への転職のアドバイス
飲食店の現状は、人手不足に変わりありません。経験者はより有利ですが、たとえ未経験でも飲食店に人生の目的や活路を見出した方は果敢に挑戦されていいと思います。
接客サービス業経験者もまた、個人的には採用されやすいと考えます。これまで畑違いの業界にいた方は「なぜ飲食業界なのか?」「自身の経験をどう活かせるか?」面接官に伝える準備はしておきたいものです。
特に未経験の方は飲食業界に詳しいキャリアアドバイザーと出会い、二人三脚で転職活動できれば、これほど心強いものはないでしょう。
まとめ
飲食業界はこれからも私たちの生活に密着、欠かせない業界です。
そんな飲食業界で、内定を勝ち取っていただきたいです!
就職と転職、共通していえることは人生の目的と就こうとしている仕事の方向性が合致していることが重要です。それがミスマッチを防ぐカギで、長続きできるかその明暗を分けます。
人生の目的についてその意味を、これまで考えたことがない方は関連記事で説明していますのでぜひ、併せてお読みいただけますと幸いです。
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