6パックを作ろう!腹筋を割る為の考え方とトレーニング

筋トレ

6つに割れたバキバキの腹筋。板チョコのような造形に憧れる男性の方は多いのではないでしょうか?

同時に

「コツコツ自宅で腹筋を続けているけどなかなか効果が出ない。」
「あまり意味が無いと効いたけど?」

というような声もよく聞きます。

今回の記事ではそんな方に向けて、どうすればバキバキに割れた腹筋を作り上げることができるのか、論理的に順序立てて解説していきますよ!

記事中で正しく腹筋を理解し、しっかり成果を出していくために

  • 腹筋についてのよくある誤解
  • 腹筋運動の種類とどんな人におすすめなのか
  • 腹直筋の構造と効かせるためのコツ

などについて解説していきます。

この記事をしっかり読み、コツコツ実践していくことであなたも憧れの6パックを手に入れることができますよ!
来年の夏はビーチで注目を集めちゃいましょう!

 

 腹筋概要

まずは今回解説する「腹筋」について概要をまとめました。
具体的なお話に入っていく前に一度一通り確認して先へ進みましょう!

腹筋とは?

一般的に「腹筋」とひとまとめにしてしまいがちですが、腹筋は腹部の筋肉の総称であり、筋肉であれば「腹直筋」「腹斜筋」、種目であればそれぞれに名前がついています。

よく学校の部活動などで取り組んだ方も多いであろういわゆる「腹筋」は、「シットアップ」という種目ですね。

この記事では錯誤を避けるために、「腹筋」とした場合は筋肉について、種目については各名称で表現しますのでご安心下さい。

「腹筋」の位置づけ

「シットアップ」に関しては、ほとんどの方が割れた腹筋に憧れて一度はトライしてみたことのある種目ではないでしょうか?

一日100回を毎日続ける。というような習慣を義務化しているというような方も中にはいらっしゃるかもしれませんね。

しかし一方でなかなか結果が出づらい種目だ。というような印象をよく抱かれている種目でもあります。

多くの方がトライし、多くの方が、結果が出せていないことで、「腹筋」に対してだけでなく「トレーニング」に関して「自分は向いていないのではないか。」「ものすごい量をやらないと効果が出ない。」というような苦手意識を持つきっかけになってしまっている残念な状況です。

しかし、これははっきり誤解です!

「腹筋」も、また「トレーニング」も的確にいくつかのポイントを抑えて取り組むことで確実に少ない努力で結果が出せる種目なのです。

この記事で一つずつ解説していくのでお付き合い下さいね。

割れた腹筋の魅力

割れた腹筋に関しては、なぜか男女問わず多くの方が魅力を感じる部位のようです。

筆者も割れた腹筋と太い腕がかっこいい!と考えてトレーニングを開始した記憶があります。

一方で現代ボディビルにおいては、一般的な認識と比べてそこまで重視される部位ではなく、広背筋の広さや、僧帽筋の分厚さ、大胸筋の膨らみ、脚の完成度など他の部位に対しての審査の比重が大きくなっています。
その為、「腹筋を鍛える」ということ自体をせず、他の部位の種目をやる際に同時に鍛えられる。と考えている選手も多いようです。

↓お腹が出てしまっているフィル・ヒース選手

引用:Why We Weren’t Surprised Shawn Rhoden Was Crowned Mr. Olympia 2018

こういった意識の差はどこから生まれるのでしょうか?一般的な美しい肉体の先にボディビルディングという種目があるのが、本来自然な流れではないでしょうか?不思議ですね。

これは推測の域を出ませんが、ボディビル界の近年のエスカレートした筋肥大への傾倒など業界のはやりというものもあるのでしょう。

腹直筋という部位は表面積が大きい一方で、体積が小さいつまり本来薄い筋肉です。その為筋肥大の限界が他の部位に比べて浅いのです。

また、

筋肉量の増加に伴って起きてしまう「バブルガット」という症状があります。これは、筋肉を維持するために内臓が肥大してしまう結果、上の写真のように腹筋は割れているけどお腹は出ているというものです。

つまり大きく差が付きづらい。

であれば他の部位を鍛え、もっと大きくして周りと差別化しよう
審査側も「バブルガット」は副産物として捉え、ある程度は無視しよう。ということを進めた結果が、現代ボディビルということなのではないでしょうか。

とはいえ、最近では昨年度オリンピア優勝者ショーンローデンがフィル・ヒースを破ったことからも理解るように、細く美しいウェストも審査基準の比重の見直しが進んでいるようです。

↓美しくシャープな腹筋を持つショーン・ローデン選手

引用:Why We Weren’t Surprised Shawn Rhoden Was Crowned Mr. Olympia 2018

余談ばかりになってしまいましたね。
彼らのような腹筋を作り上げることはとても容易とは言えませんが、一般的なものさしで見た「美しい腹筋」は、ほとんどの方が知識と少しの努力で実現できますよ!

メインターゲットとなる部位

腹直筋

腹斜筋

この2つの筋肉が主なターゲット部位です。

シックスパックの実現ということに限って言えば腹直筋がメインターゲットとなり、更に調和の取れたお腹周りを実現するためには腹斜筋も鍛えたほうがなお良い。というイメージですね。

腹斜筋は外側にある「外腹斜筋」、その深層にある「内腹斜筋」に分けて表現することもあります。

どちらも長く薄い筋肉であり、体積を大きくするには限界があります。

 

お腹周りの筋肉の構造

更に具体的に筋肉の構造について解剖学的に見ていきましょう。
解剖学的と言っても難しいことはありません。

ここでは「起始」と「停止」つまり、どこからどこに向かっている筋肉なのかという点について特に注目してみて下さい。

それさえ理解できれば、どんな動きをする筋肉なのかについても必然的にイメージできるはずですので、細かい知識まで無理に覚えようとしなくても大丈ですよ!

腹直筋

起始:骨盤前部
停止:肋骨(5番、6番、7番)、剣状突起
作用:体幹屈曲、骨盤後傾

筋肉の骨格への付着部を「起始」、「停止」と表現します。
筋肉が収縮することで起始部分と停止部分を近づける。というのが筋肉の役割であり、骨格が動くシステムになっているのですね。

腹直筋に関してはどうでしょう。
特に起始に関して骨盤でも前側、しかも意外と下の方についているのだな。と驚いた方も多いのではないでしょうか?

この起始と停止の関係から、「作用」つまりどのような動きをするための筋肉なのかについて探ってみましょう。

筋肉は収縮によって起始と停止を近づける働きを持っているのでしたね。
つまり、腹直筋は「骨盤とみぞおち付近を近づける」というような働きを持っている筋肉です。

このことから的確に腹直筋を鍛えるためには、「腰を折るような動作」ではなく、背骨を丸くするような動作が必要であることがわかりますね。

外腹斜筋

起始:肋骨(5〜12番)
停止:骨盤、腹膜
作用:体幹屈曲、回旋、側屈

外側に位置する腹斜筋です。
腹直筋と比べて肋骨の外側に付着していることがわかりますね。
また、停止部分で腹膜を介して腹直筋と連動しています。

画像の通り斜めに走っている筋肉で、両側が収縮することで、腹直筋と同様に体幹部分の屈曲、片側だけ収縮することで、反対側に身体をひねったり片側だけ屈曲させたりする働きを持っています。

筋肉は細かく言うと「起始に向かって停止を引きつける」という動きをします。
次に紹介する「内腹斜筋」と異なり、停止を骨盤に持つことで、左の外腹斜筋が収縮すると右肩が後ろに下がる方向に身体がひねられます。

内腹斜筋

起始:骨盤、腰部分の膜
停止:肋骨(10〜12番)、腹膜
作用:体幹屈曲、回旋、側屈

先ほど紹介した外腹斜筋起始停止の関係が逆になっていますね。
ご推測の通り、この筋肉の片側だけ収縮することで同じ方向に身体をひねる働きがあります。

例えば左側が収縮した場合、右肩が前に出てくるようなイメージのひねり方になりますね。

これは肋骨の外側にある停止を、骨盤に付着した起始に向かって斜め下方向に引きつける働きがもたらす結果ですね。

 

腹筋のよくある誤解

いかがですか?
「腹筋」を鍛える上でメインターゲットとする筋肉の構造はなんとなく頭に入りましたか?

「起始に向かって停止が引きつけられるのが作用」と理解して、各筋肉の起始停止を確認したところで、思っていた動きと本来の動きは違ったというようなギャップに気づいた方も多いのはないでしょうか。

「腹筋」は効果が出づらいと感じてしまうのは、このように多くの方が「腹筋」について勘違いをしてしまっているからなのです。

他にもしてしまいがちな勘違いについて確認していきましょう。

勘違い1:腹筋だけ鍛えていれば割れてくる

著者自身もトレーニングを開始したての頃、腹筋が割れている人は腹筋周りの筋肉が大きく肥大しているため浮き出ている。という勘違いから「シットアップ」などの種目を繰り返していれば腹筋は割れるはずだ。と勘違いしていました。

このように考えている方は多いのではないですか?
これは半分正解で半分間違いです。

というのも、

腹筋は“誰でも割れている”のです。

「え?割れてないけど?」と思った方、この記事から一度目線を外してお腹にぐっと力を入れて触って確かめて見て下さい。

筋肥大のほどは個人差がありますが、ほとんどの方が脂肪の奥に腹直筋の割れ目を確認できたのではないでしょうか?

「腹筋が割れる」という条件を満たすためには腹直筋の筋肥大よりもむしろ、それを覆い隠している“脂肪”を取り除くことのほうが重要なのです。

もちろん腹直筋の筋肥大があればより立体的な腹筋を手に入れることが可能なので、正確には

  • 鍛える
  • 脂肪を落とす

この両方を同時におこなうことが「腹筋を割る」為には必要です。

具体的には後ほど紹介する腹部周辺のトレーニングに加えて、有酸素運動をメニューに組み込むのが最も効率的ですよ。

当サイトでも手軽で継続しやすいオススメの有酸素運動「エアロバイク」についてまとめています。
この記事と一緒にぜひ一読下さい。

勘違い2:1セットで100回も200回もする

トレーニングを進める上で1セットを何回、どの程度の重さでおこなうかによって効果は変わります。
そのため自分の目的に合った回数を把握した上で、トレーニングを進めることが重要になります。

目的ごとにまとめたものが以下の表です。

重量回数見た目の変化
筋肥大75〜87%5〜12回筋肥大(大)
筋力強化90〜100%1〜4回筋肥大(中)
筋持久力強化〜74%13〜回筋肥大(小)

筋肉を大きくしたい。いわゆる「筋肥大」を目的とした場合は回数が5〜12回、ギリギリ1回できる負荷の75〜87%程度が最も有効だとされています。

トレーニングを始める時に皆さんなんとなく知っている「10回を目標におこなう」という数字には、このような根拠があるのですね。

このことから大胸筋や腕を太くしたいと考えた時に、ベンチプレス100回というメニューをメインセットにトレーニングを進める方はほとんどいません。

しかし、腹筋になると1セット100回というような組み方をする方が急激に増えます。
これは腹直筋や腹斜筋を特別視してしまっていることから起きていますが、表を見て下さい。

長時間走るという行為を連続して繰り返すマラソン選手の足が短距離走の選手よりも細いように、軽い負荷で高回数腹筋のトレーニングをしても筋肥大させることはできません。

腹筋も他の筋肉の例に漏れず、筋肥大するためには10回前後繰り返すのが限界、というような負荷をかけておこなうのが筋肥大に最も効果的なのです。

腹筋は自重でおこなう種目がほとんどなので、それだけの負荷をかけるというのは一見難しく感じてしまいますが、ご安心下さい。
この先でしっかり効かせる方法を学んで実践すれば、たとえ負荷の軽い「シットアップ」であっても40回、50回と容易にできる種目では無いことが身をもってわかるはずですよ!

勘違い3:超回復を狙って3日〜4日トレーニングの間隔をあける

先程勘違い2で腹筋を特別視するな!という内容を書いたばかりですが、回復速度に関しては、腹筋は特別です。

筋肉の回復速度は概ねその体積によって左右されると考えられています。

もちろん個人差はありますが、脚トレや背中のトレーニングなど大きな筋肉を連続して追い込むと、損傷が回復する前に再び損傷してしまいます。成長しないどころか萎縮してしまう可能性があるので、毎日のトレーニングというのは決してオススメできません。

しかし、

体積が小さく血液の循環も非常に良い腹直筋や腹斜筋に関しては、毎日おこなっても回復が間に合います。
一日おきのトレーニングや人によっては毎日トレーニングをおこなっても問題はありませんよ!

勘違い4:腰を折る動きが腹直筋に効く

これは先程の2章でも解説したので、もう理解していただいていることかもしれませんね。

腹直筋に負荷をかけるためには腹直筋の作用に添った動作が必要です。

腹直筋の起始と停止を近づける動きは背中を丸く丸めるような動きになります。
上半身をまっすぐに保ったまま腰を折って持ち上げてくるような動作は的確な動作ではなく、最大限の収縮ができません。

勘違い5:腹筋の形や数は鍛えれば増える

これに関しても勘違いしてしまいがちですよね。

実は腹筋の形や割れる数は遺伝的に決まっており、トレーニングによって変えることはできません。

先程紹介した「バブルガット」では内臓が肥大することで腹筋の左右が離れてしまう現象が起こっていました。

そういう意味では位置関係が変わってしまうことは例外的にありますが、基本的にトレーニングで変えられるのは「腹筋の厚み」だけです。

中には腹筋が8個に割れる人や5個というように奇数個のパックが浮かび上がるという場合もあり、個人差が目に見えてわかりやすい部位ですよ。

 

腹筋(シットアップ)の基本フォームとポイント

腹筋を鍛える種目には多くの種類があります。

ここでは最も代表的で、「腹筋」と連想する方の多い「シットアップ」の基本とポイントについて解説しますよ。

他の種類についても後ほど解説していきますが、まずはここで基本を抑えて腹直筋をターゲットにした種目を一つマスターし先に進みましょう。

ここまでしっかり読んでくださった方であればスムーズに入ってくる内容のはずですよ!

シットアップ|スタートポジション

  • ベンチがある場合:足をベンチにかける
  • 膝を曲げ寝転がる
通常のベンチやシットアップ用ベンチがある場合は足をかけ、ベンチに寝ます。
角度が調整できるものもあるので、まずはフラットな状態でおこない負荷が軽すぎるようなら勾配を調整しましょう。

基本は変わりません。

ベンチが無いという場合は、誰かに足を持ってもらうか何かに足をかけることで足が浮くことを防げます。

下半身を安定させるために足を固定するのが理想的ですが、そういったものがなくてもシットアップをおこなうことはできますよ。

手は頭を抑えるようにして添えるか後ろで組むようにしましょう。
頭の後ろで組み込むと重心が上に移動し若干ですが負荷が上がります。
逆に手を太ももに添えてシットアップをおこなうと、随分楽に感じるほど負荷が下がります。

細かいことですが覚えておくと最後の追い込みの際に役立ちますよ!

ベンチの勾配を変える以外に、プレートやダンベルを持つことでも負荷調整が可能ですよ!

シットアップ|身体を起こす

  • 腹直筋を収縮させ身体を起こす

倒れた状態から身体を起こしていきます。

「身体を起こす。」と考えてしまうと先程解説した勘違い4で紹介した悪い例のように、腰を折る動きになってしまいます。
あくまでここでは腹直筋を収縮させることに集中し、起始である骨盤方向に向かって停止であるみぞおち付近を近づけていく意識でおこないましょう!

身体が起きるというのは結果に過ぎませんよ!

呼吸はここでは息を吐くようにします。

シットアップ|身体を倒していく

  • 身体を倒していきスタートポジションに戻ります
身体を倒していく際に腹直筋にかかっていた負荷を抜き、脱力するようにベンチや地面にベタンと倒れ込んでしまう方を見かけますが、これは間違いです。

回数をこなすことが目的であればそれが適しているかもしれませんが、あくまで目的は筋肥大ですね?

帰り道でもしっかり負荷を受け止めましょう。
ゆっくりコントロールしながら身体を倒していくことで、収縮時の刺激とは別のネガティブな刺激(伸展動作をおこないながら受ける刺激)をターゲットに与えることができます。
筋肥大においてこのネガティブな刺激は、収縮時に受けるポジティブな刺激と同等に重要ですよ!

腹直筋が負荷に耐えながら伸ばされるような感覚で3秒〜4秒かけてゆっくり身体を倒しましょう!

もう一つ重要なテクニックがあります。
それは身体をベンチに落としきってしまわずにその直前で切り返すことです。こうすることで負荷が抜けるタイミングを減らし、筋肉の緊張時間を長くすることができるのです。

しっかり1回1回の動作を軽んじず質を高めることで、負荷を上げなくてもしっかり腹筋に効くトレーニングができますよ!

 

腹筋の種類

トレーニングとは負荷を与えることで更に大きな筋肉が生きていくには必要だ、と身体に錯覚を与え、脳を騙す行為です。

しかし同じ量の刺激、同じ種類の刺激ばかり与えていると脳は嘘を見抜き、反応をやめ筋肉の肥大にストップをかけます。

筋肉を大きくするということはそれだけ消費コストがかかりますし、それを維持するにも多くのエネルギーを要する為、脳は身体が大きくなりすぎることを本来避けたいと考えているわけですね。

これに対抗して身体を大きくし続ける為に

  • 刺激量(負荷の量)を増やし続ける
  • 刺激の質を変化させる

この2つしかありません。
これはトレーニングにおいて「斬新性の原則」と呼ばれる原理原則の一つで、同じメニューをやり続けると成長は完全に止まってしまうことを意味しています。

そこでこの章ではオススメの腹筋トレーニングをいくつか紹介していきます!
基本のシットアップを身に着けたらここでバリエーションを増やし、バキバキのシックスパックに更に近づきましょう!

レッグレイズ

ぶら下がったりして上半身を固定した状態で脚を挙げるタイプの腹筋種目
【ポイント】

シットアップとは起始と停止の関係が逆、つまり下から上という方向に負荷のベクトルが変化することで外腹斜筋の関与が強くなります。

この種目でもただ脚を挙げると考えるのではなく、起始と停止をターゲットの収縮によって近づけた結果脚が挙がる。という意識でおこないましょう。

感覚としては骨盤を後傾させる意識でおこなうと正しい動きができる場合があります。

脚を伸ばすほど負荷は大きくなり、逆に身体に近い部分に収めるほど負荷は小さくなります。

ギリギリまで追い込むためにスタート時点では脚を伸ばし、もう挙がらないとなった所から更に脚を縮めていくことでダメ押しの数回ができますよ!

クランチ

途中まではシットアップと同じだが、身体を持ち上げきらず腹直筋にフォーカスした腹筋種目
【ポイント】

シットアップが上半身を起こしきるのに対して、クランチでは腰部分を地面またはベンチに付着したままおこないます。

こうすることで腹直筋だけにフォーカスしたトレーニングになりますが、バリエーションとして「シットアップ」+「クランチ」とするのは同系統の刺激となってしまうのであまりおすすめできません。

シットアップが上半身を持ち上げていく過程でテクニックがないと負荷が抜けてしまいやすいのに対してクランチは負荷をかけ続けやすく、筋肉の緊張時間を長く保つことが容易です。

その為、シットアップよりもトレーニング初心者の方に向いている種目と言えるでしょう。

ツイストクランチ

ひねりを加えたクランチ
【ポイント】

クランチにひねりを加えることで「外腹斜筋」「内腹斜筋」といった外側の腹筋をターゲットにした種目です。

頭に添えた手の延長にある右肘を左膝に、左肘を右膝にといったイメージでおこないます。

斜めに走る腹斜筋を鍛えることで腹筋周りの完成度は大きく跳ね上がりますよ!

クランチ(マシン、ケーブル)

 

専用のマシンやケーブルマシンを使用することで負荷を大きくするクランチ
【ポイント】

持ち手をしっかり固定し、収縮を強く意識しておこないましょう。
シットアップで解説した基本と重要なポイントは変わりません。
背骨を丸めるように起始と停止を近づけましょう。

自重でおこなう腹筋種目では負荷が小さすぎて回数がどうしても多くなってしまう、という場合特にオススメです。

また、一つの部位に対してトレーニングのバリエーションを広げることで、刺激の種類を増やし、筋肥大を促進できることは先述のとおりですが、この考えを利用した「POF法」というメソッドが存在します。

POF法はトレーニングの種目を最大負荷がかかるタイミング毎に「ミッドレンジ種目」、「コントラクト種目」、「ストレッチ種目」の3種類に分別しバランス良く組む考え方です。
POF法にのっとり考えると、この種目はコントラクト種目に最適な種目です。
コントラクト種目は12〜15回程度という若干の低負荷高回数トレーニングをおこなうことでパンプアップを狙います。パンプアップを狙う性質上その部位の最終種目にするのが一般的です。
つまりマシンやケーブルを使用するクランチは大きな重量で刺激量を狙うもよし。POF法の観点から最終種目としてパンプアップを狙うもよし。という便利な種目なのですね!

どちらの目的でやるか明確に自分で決めておこなうことが大事ですよ!

SATOスペシャル

バックエクステンションマシンを利用した腹筋種目
【ポイント】

日本のボディビルディング選手である佐藤貴規選手が愛用している種目が、このSATOスペシャルです。

本来バックエクステンションをおこなうためのマシンを利用しておこないます。

ほとんどの腹筋種目では収縮がメインなのに対して、この種目では起始と停止が離れた状態(ストレッチ)の刺激を狙いとしています。

POF法においてもストレッチ種目に非常に適しています。

ポイントは上半身を挙げきってしまわないこと。
負荷を抜かず切り替えして、ストレッチポジションをなるべく長くとって負荷をかけ続けるように意識しましょう。

アブローラー

専用の器具を利用した腹筋種目
【ポイント】

腹筋系種目の中でも特に異彩を放つ種目がこのアブローラーです。

ローラーを両手で持ち、身体を縮めた状態から前方に転がすことで腹筋をストレッチし、スタートポジションに戻ることで収縮をおこないます。

この種目でも背中は丸めるようにして収縮するのがポイントです。

アブローラーは膝をつかずおこなうパターンと(いわゆる立ちコロ)膝をついておこなうパターンに大別できます。

刺激量が非常に大きく、よほど腹筋の筋力が強くバランスの良い方でない限りは、初めから膝をつかずおこなうのは不可能でしょう。
因みに筆者も未だに膝をつかずアブローラーをおこなうことはできません。

膝をついておこなう場合でも、充分大きな刺激ですよ!
省スペースでおこなうことができ、アブローラー自体もネットで手に入るので自宅でも腹筋種目のバリエーションがほしいという方にはぜひおすすめしたい種目です。

筋肉系youtuberとして有名な「サイヤマン」の、ものすごく肥大した腹筋もこのアブローラーでつくられたもののようです。

置いてあるジムも多いので興味のある方はぜひ一度チャレンジしてみて下さい!

 

まとめ

腹筋種目に関する記事はいかがでしたか?

勘違いが多く難しいと思われがちな腹筋種目ですが、しっかりツボを抑えてトレーニングをすればそれほど複雑な部位ではありません。

ここで最後に腹筋を割ってシックスパックをつくるために重要なポイントを再度おさらいしておきましょう。

  • 鍛えると同時に有酸素運動で脂肪を落としていく
  • 腹筋の筋肥大にも1セット5〜14回
  • 起始に停止を近づける収縮意識を強く
  • ネガティブな刺激をおろそかにしない
  • 種目に多様性をもたせることで刺激を慢性化させない

腹筋は見た目だけでなく「腹圧」にも関わっており、いくら大胸筋が強くても腹筋がなければ挙げられる重量は限定されてしまうように、他部位にも大きな影響力を持つ筋肉です。

体幹部の幹となる「腹筋」を鍛え上げ、強くてかっこいい体を手に入れましょう!

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