総合商社業界の動向・年収・大手企業の調査・比較【2017年度】

そのくらい、毎年、総合商社は人気企業ランキングで上位に入ってきています。

2018年入社の就職活動においても、文系総合トップ100に、伊藤忠商事、三菱商事、住友商事、三井物産、丸紅の5社がランクインしています。また、伊藤忠商事は理系総合トップ100にも入っています。

2018年卒 大学生就職企業人気ランキング

https://job.mynavi.jp/conts/2018/tok/nikkei/ranking/ranking_index.html

今回は、2017年の最新版として総合商社業界の動向と転職・就職に役立つアドバイスを紹介していきたいと思います。

2016年版も併せてお読みいただくと、ここ1年での業界の変化も読み取れると思います。

総合商社業界の動向・年収 2016年度大手企業の調査・比較

2016.04.05

総合商社業界の基本情報

日本で最初に設立されたカンパニーであり商社でもあったのは、坂本龍馬が設立した「亀山社中」です。この事実は、総合商社には長い歴史があることも同時に物語っています。

明治維新以降、三菱・三井・住友といった当時の財閥などが商社を設立し、日本の近代化とともに発展し日本の産業を支えてきました。

そんな商社の役割をわかりやすく説明すると、「つなぐ」「創出」になります。

商社は、まず、世に出ている商品やサービスを必要なところにつなぐ役割を持っています。これは、誕生してから今日までずっと変わらず担ってきた商社の使命です。

 

次に、まだ世に出ていない商品やサービスを企画・立案、ときには発掘し、新しいビジネスモデルや事業を創出しています。

その役割を行使するために、商社は、

  • 商取引
  • 情報・調査
  • 市場開拓
  • 事業開発
  • 投資
  • 経営
  • リスクマネジメント
  • ロジスティクス(物流)
  • 金融
  • オーガナイザー

という機能を実行しています。

参考文献:一般社団法人日本貿易会 商社の機能

http://www.jftc.or.jp/shosha/function/index.html

総合商社は、繊維からはじまり、鉄鋼・機械・石油化学、資源・エネルギー、そして、IT産業、先端技術、環境関連と時代や社会のニーズに合わせながら幅広い商品・サービスを取り扱っています。

昨年もお伝えしていたとおり、総合商社は、

「ミネラルウォーターから通信衛星まで」

などといった言葉で表現されることもあります。

 

ほとんどの総合商社が、カンパニー・ユニット制などを導入しており、経営陣が各部署とダイレクトに指揮命令系統が組める構造となっています。

また、各部署は、分野・事業領域ごとに分けられているのが大きな特徴です。これは、

  • ポートフォリオ・リスク管理の徹底
  • 経営スピードの向上
  • 責任所在の明確化
  • 経営単位の細分化
  • 撤退ルールの厳格化

を図った結果だといわれています。

そんな総合商社7社の国際会計基準上の全体収益(市場規模)は34兆1066億8400万円で、社員の状況は、平均年齢42歳、平均勤続年数17.1年、平均年収1221万円となっています。

 

総合商社業界 ~今後の展望~

総合商社業界の今後の動向のポイントとして昨年お伝えしていたのが、『M&A』でした。そして、2017年版でご紹介いたしますのが、『ヘルスケア』です。

商社の医療関連事業への取り組みは今に始まったことではなく、昔から行われているものなのですが、近年は、医療機器の商取引などではなく病院の事業そのものへの参入が目立っています。

総合商社が携わるヘルスケア事業は、

  • 病院経営とその支援
  • 消費者向け事業
  • 医薬品開発支援
  • ベンチャーキャピタルを通じた投資

などとなっています。たとえば、

三菱商事→エム・シー・ヘルスケア(病院アウトソース、医療材料・機器・医薬品等販売)

三井物産→IHH Healthcare Bhd. (IHH アジア最大級の病院のグループ)

丸紅→丸紅ケミックス(医薬品・化粧品原料の商取引)

住友商事→爽快ドラッグ(健康食品、薬品、日用品などのインターネット販売)

伊藤忠商事→ACRONET(医療品治験業務の受託)

 

と、各社ほんの一例ですが、社会のニーズに合わせた事業案件を抱え、医療・福祉分野、ヘルスケア事業領域に対応しています。

詳細は、参考文献でもある一般社団法人日本貿易会ホームページの「商社の活動 新たな取り組み分野 ヘルスケア・ライフケア関連」を参照ください。

 

総合商社業界7社と年収一覧(各社有価証券報告書より抜粋)

各社の年収一覧

  • 三菱商事 1386万円
  • 三井物産 1213万円
  • 住友商事 1255万円
  • 伊藤忠商事 1383万円
  • 丸紅 1221万円
  • 豊田通商 997万円
  • 双日(そうじつ ニチメンと日商岩井が合併して誕生)1090万円

総合商社7社(上記)の平均年収は1221万円でした。詳細は、下図を参照ください。

総合商社業界を代表する企業の基本情報

三菱商事

三菱商事は、国内最大の総合商社で、かつては資源に強いというイメージでしたが、資源価格下落を受け、高収益の非資源分野にも参入しています。組織は、

  • 地球環境・インフラ事業
  • 新産業金融事業
  • エネルギー事業
  • 金属
  • 機械
  • 化学品
  • 生活産業

というグループに分かれています。

基本情報

  • 収益:6兆4257億6100万円(国際会計基準)
  • 売上総利益:1兆3286億3800万円(国際会計基準)
  • 社員数:6233名
  • 平均年齢:42.5歳
  • 平均勤続年数:18.4年
  • 平均年収:13,862,987円

 

三井物産

三井物産は、下記の6事業分野に分かれており、さらに16営業本部に細分化されています。

また、「米州」「欧州・中東・アフリカ(EMEA)」「アジア・大洋州」と海外市場を3つの地域に分け、各地域、独立させた三極体制を採用しています。

  • 金属
  • 機械・インフラ
  • 化学品
  • エネルギー
  • 生活産業
  • 次世代・機能推進
基本情報

  • 収益:4兆3639億6900万円(国際会計基準)
  • 売上総利益:7192億9500万円(国際会計基準)
  • 社員数:5971名
  • 平均年齢:42.4歳
  • 平均勤続年数:18.9年
  • 平均年収:12,135,000円

 

住友商事

住友商事は、2012年3月期に最高益を記録したのですが、2015年3月期に減損処理を行い赤字に転落しました。

その後は黒字計上であり、順調に利益を確保しています。そんな同社は、下記の5つの部門に分かれています。

  • 金属事業
  • 輸送機・建機事業
  • 環境・インフラ事業
  • メディア・生活関連事業
  • 資源・化学品事業
基本情報

  • 収益:3兆9969億7400万円(国際会計基準)
  • 売上総利益:8426億9800万円(国際会計基準)
  • 社員数:5162名
  • 平均年齢:42.8歳
  • 平均勤続年数:18.3年
  • 平均年収:12,551,416円

 

伊藤忠商事

伊藤忠商事は、総合商社のなかでは、ここ近年、著しい躍進を遂げたといわれています。非資源分野に多く参入していることから、資源価格の変動の影響が比較的少ない収益構造となっています。

組織は「繊維」「機械」「金属」「エネルギー・化学品」「食料」「住生活」「情報・金融」と7つのカンパニーに分かれています。

基本情報

  • 収益:4兆8384億6400万円(国際会計基準)
  • 売上総利益:1兆934億6200万円(国際会計基準)
  • 社員数:4285名
  • 平均年齢:41.5歳
  • 平均勤続年数:16.9年
  • 平均年収:13,838,699円

 

丸紅

丸紅は、特定分野に偏ることのない事業ポートフォリオを構築、とくに電力・食料分野に強いといわれています。

福島復興 浮体式洋上ウィンドファーム 実証研究事業ではプロジェクトリーダーとして産学を率いています。

同社もグループ制で「生活産業」「素材」「エネルギー・金属」「電力・プラント」「輸送機」の5つに分かれています。

基本情報

  • 収益:7兆1288億500万円(国際会計基準)
  • 売上総利益:6138億8000万円(国際会計基準)
  • 社員数:4458名
  • 平均年齢:41.4歳
  • 平均勤続年数:16.6年
  • 平均年収:12,213,137円

 

参考文献

  • 三菱商事株式会社平成28年度有価証券報告書
  • 三井物産株式会社第98期有価証券報告書
  • 住友商事株式会社第149期有価証券報告書
  • 伊藤忠商事株式会社第93期有価証券報告書
  • 丸紅株式会社第93期有価証券報告書
  • 日経業界地図 2017年版 日本経済新聞出版社
  • 図解入門業界研究最新総合商社の動向とカラクリがよ~くわかる本[第3版] 丸紅経済研究所著 秀和システム

 

転職・就職へのアドバイス

総合商社が、就職・転職先として非常に人気であるのは、

  • さまざまな商品やサービスを取り扱っている
  • 海外が活躍のフィールドになりえる
  • 日本の経済・ビジネスを牽引している

といったことが理由だとわかったと思うのですが、業界研究をしっかりと行ってきた方は、総合商社が

  • 人を最大の資産だと考えている
  • 積極的な人事制度改革に着手してきた
  • 多彩な研修プログラムを保有している

ということにも、すでに気付いていると思います。実際に転職サイトで募集がでるとかなりの人が応募します。

やはり、年収の高さはもとより、能力・スキルを発揮できる環境が総合商社にあるから、多くの就職・転職活動者の方が入社を志望しているのです。

総合商社で働きたい方は、どの分野・事業領域に興味があるのか? 強みがあるのか? 経験やスキルを活かせるのか? を考え、まとめておくといいでしょう。

商社はグループ・カンパニーと分野や事業領域ごとに細分化されていることから、広く浅い知識を有するよりも、ピンポイントに絞り込んで深く掘り下げた知識や資格を有していたほうが、総合商社の人事担当者は、欲しい人材として興味を持ってくれるのではと感じます。

言語面では、多言語に精通しているに越したことはありませんが、中国語だけは流ちょうに話せる、オーストラリアで英語を学んだなど。知識・スキル面では日商簿記1級、USCPA(米国公認会計士)の資格を持っているなど。人よりも秀でたスキルを持っているだけで採用の可能性はグッと高まりそうです。

もちろん、専門商社やメーカーで海外企業と取引してきた経験をお持ちの方は、より強いと思います。

しかしながら、人が最大の資産と考える総合商社では、社会人として高い倫理観を持った魅力的な人物であること。新しく何かを創り出せる想像力や行動力を持った人材が求められるようです。

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