この記事でわかること
- 2018年のできごと
- オススメの時事問題・一般常識対策本
2019年になりました。2018年は大学3年生のみなさんにとってどのような一年だったのでしょうか? そんな1年間に起こった出来事は時事問題として、これからはじまる就職活動の筆記試験や面接において、人事担当者や面接官がさまざまな思惑をもって趣向をこらし、利用されていきます。
毎日、新聞を読んでいるから、ネットニュースを見ているから自分は大丈夫という方もいるかもしれませんが、通常の社会生活を送るうえではそれで十分と思います。
しかし就職活動では、何が起こったのかをインプットするだけではなく、誰が関わっているのか? どこで起きたのか? などの詳細の把握、どうしてその出来事が起こったのか? などを考察したり、その出来事についてどう感じたのかを自分の言葉で発言したりするアウトプットができるようになることが大切で求められているのです。
そこで昨年に引き続き転職とキャリアアップでは独自に、「2018年のできごと」「オススメの対策本」最新版を纏めましたので、就活の一助となれば幸いです。
時事問題が大事な理由については、2019年卒版、2017年の出来事まとめに掲載していますので、念のため確認されてみてください。
1.世界-日本をめぐる領土問題
今回はまず、日本をめぐる領土問題についてまとめておきます。日本は海を隔てていますが隣国としてロシア、北朝鮮、韓国、中国、台湾があり、うち北朝鮮を除く4カ国と3つの領土問題を抱えているといえます。具体的には、次表のとおりです。
北方領土(択捉島、国後島、色丹島、歯舞島の北方4島) | ロシア |
竹島 | 韓国 |
尖閣諸島 | 中国・台湾 |
北方領土を実効支配しているロシアは日本だけではなくその反対のウクライナ側とも領土問題を抱えています(クリミア半島)。
竹島も現状、日本固有の領土であるにもかかわらず韓国が実効支配しており、国際司法裁判所での解決を呼び掛けていますが韓国側が拒否している状態です。
尖閣諸島は唯一、日本による実効支配が保たれていますが、中国空軍や中国海警局の侵入が後を絶ちません。
2.スポーツ-平昌オリンピック、そだねー、もぐもぐタイム
2020年は東京にて夏季オリンピックが開催されますが、2018年2月9日から2018年2月25日までの期間、韓国の平昌(ピョンチャン)で冬季オリンピックが開催されました。
なかでも話題となったのが女子カーリングで、北海道が拠点のロコソラーレ/LS北見の
- 吉田夕梨花 選手
- 鈴木夕湖(ゆうみ) 選手
- 吉田知那美 選手
- 藤澤五月 選手
- 本橋麻里 選手
が銅メダルを獲得する活躍をしました。作戦会議中の「そだねー」や試合中の「もぐもぐタイム」が話題となり、そだねーは流行語大賞の年間大賞に選ばれています。
参考までですが同オリンピックでの金メダル獲得選手(日本)は次のとおりです。
スピードスケート
- 小平奈緒 選手
- 髙木菜那 選手
- 女子チームパシュート(髙木美帆選手、菊池彩花選手、佐藤綾乃選手、髙木菜那選手)
フィギュアスケート
- 羽生結弦 選手
3.北朝鮮-南北首脳会談・米朝首脳会談
2018年4月27日、かつては対話路線といえる太陽政策で知られた廬武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の側近であった韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩委員長の首脳会談が板門店(パンムンジョム)で実現しました。
また2018年6月12日、アメリカのドナルド・トランプ大統領と北朝鮮の金正恩委員長の首脳会談もシンガポールで行われました。そこで米朝共同声明にお互い署名をしたものの双方、
北朝鮮 → 段階的非核化
を主張し、検証可能で不可逆的な非核化への合意には至りませんでした。またトランプ大統領は安倍晋三総理大臣の要請で日本人の拉致について問題提起したものの、北朝鮮は解決済みと主張し。未だに解決に向けた動きが見られません。
文大統領と金委員長は、2018年9月18~20日、平壌(ピョンヤン)で3度目となる南北首脳会談を行っています。
4.国内-西日本豪雨
公益財団法人日本漢字能力検定協会による、全国公募で決定した2018年の世相を表す漢字は「災」でした。
天災だけではなく仮想通貨の流出、スポーツ界のパワハラ、財務省決裁文書改ざんなど人災もあった1年でしたね…。
去年は気象庁から「平成30年7月豪雨」と名付けられた大規模な災害が起きました。広範囲におよぶ地域が水に浸かり、自衛隊や救助隊だけではなく、民間人によるボートでの救助も各所で見られたため、被災地域の方はもちろん誰もが鮮明に覚えていることでしょう。
6月28日~7月8日にかけ、西日本地域を中心に集中豪雨が発生しました。東海地方から九州地方にかけて線状降水帯ができ結果、
東海地方…1200ミリ
と、7月平年値の2~4倍の雨が降ったところなどもあり、内閣府非常災害対策本部が10月9日付で発表した資料によると、死者224人、行方不明者8人、全壊6695棟、半壊10719棟ほかという甚大な被害をもたらしました。
ライフライン、通信、放送、郵便にも被害や影響が出ました。
5.皇室-平成は31年4月30日まで
ちょうど1年ほど前に公開していた2019年卒版、2017年の出来事まとめでも天皇陛下の退位が決定した旨、お伝えしていたのですが、退位特例法に基づき2019年4月30日の天皇陛下の退位をもって平成が終わり、翌5月1日に天皇は上皇に、皇太子さまは新天皇として即位されます。
2018年12月23日、天皇陛下(第125代天皇・明仁さま)は85歳となられ、これに先立ち皇居・宮殿で会見に臨まれ、声を震わせながら次のお言葉を述べられました。
天皇は日本国憲法第1条で日本国・日本国民統合の象徴と定められています。また衷心は、ちゅうしんと読み、真心の奥底という意味です。天皇陛下が皇后美智子さまとご成婚されたのは昭和34年(1959年)のことです。
6.ノーベル賞-新しいがん治療薬で日本人が受賞
2018年、ノーベル生理学・医学賞を受賞したのは、本庶佑(ほんじょ・たすく)京都大学特別教授で「今世紀中にがん死はなくなる可能性が出てきた」と語られたことでも有名です。
今回の受賞につながったのはPD-1免疫療法で、現在主流の手術、化学療法、放射線療法を凌ぎ、今後PD-1免疫療法が基本的な、がんの治療方法になると予測されています。
T細胞(がん細胞を根絶するべく攻撃を仕掛ける細胞)の表面にPD-1という受容体が出現すると、T細胞ががん細胞の攻撃をやめてしまう仕組みがあることがわかっており、PD-1免疫療法では、PD-1が出現しても攻撃をやめないように仕向け、免疫を活性化させてがん治療へとつなげます。
どのようにしてT細胞が攻撃を続けられるように仕向けるのかですが、それを実現させたのが免疫チェックポイント阻害薬で、小野薬品工業が「オプジーボ(一般名はニボルマブ)」という名前で発売しています。
オブジーボの薬価は100ミリグラムあたりおよそ73万円(現在はおよそ28万円)で、高額すぎると話題になりました。患者・家族・行政の立場になってそれぞれ考察・感想を述べてみるのもおもしろそうです。
7.企業・経済-ゴーンショック、日産の救世主、逮捕される
今から20年ほど前、日産は倒産寸前の状態でした。そんななかCOO(最高執行責任者)に就任したのがカルロス・ゴーン氏でした。
同氏は再生計画を掲げ工場閉鎖、不採算事業売却を断行するなど手腕をふるい、たった2年で同社を黒字にしただけではなく過去最高の純利益を出すまでに回復させたのですが、この回復劇こそが同氏の社内での地位と権力を絶対的なものにするきっかけとなったといわれています。
しかし2018年11月19日、東京地検特捜部により同氏は有価証券報告書に合計約91億円の役員報酬を少なく記載したとして金融商品取引法違反の疑いで逮捕されました。また12月21日には日産への特別背任容疑で再逮捕されています。これで2018年末までに3回逮捕されたことになります。
カルロス・ゴーン氏は1回目の逮捕から3日後の11月22日に日産会長職を解任されています。詳報は引き続き新聞の紙面もしくはデジタル版などで確認していきたいものです。
有価証券報告書には何が載っているか、コーポレートガバナンスについて、特別背任とは? などある出来事からキーワードを拾い、知識を広げていければ最高です。
有価証券報告書には何が載っているんです?
有価証券報告書には、売上高、経常利益、従業員数、平均年収や関連会社などさまざまな情報が載っています。転職とキャリアアップでは業界研究の記事を多数、公開しているのですが、参考文献に有価証券報告書などを用いています。
え? 有価証券報告書ってそんなカンタンに手に入るものでしたっけ?
企業によってはコーポレートサイトで閲覧できるようにしています。
じゃ公開されていた場合、有価証券報告書はダウンロードするなりして見ておいたほうがいいということですか?
そうですね。情報を制しライバルに差をつけることができると思いますし、数社読み解いていくうちに業界や会社の現状やその善し悪しも、感覚的にわかるようになると思います。
何か注意点ってありますか?
決算月によって公開時期が異なります。3月決算の会社ならだいたい6月ごろ提出、公開されますので、基本的に4~6月に見た有価証券報告書は2事業年度前のもの、7~翌3月に見た有価証券報告書は直前事業年度のものとなります。
あ、思い出した^^ どうしても現状を知りたければ3カ月ごとに公表される最新の四半期報告書を見たらいいんでしょ?
そういうことになりますね。
時事問題・一般常識対策おすすめ本:3冊
日経キーワード 2019-2020
日本経済新聞社系列の日経HR編集部編著、1,242円のキーワード解説書です。辞書のようにキーワードが見出し、意味が本文として書かれているというかたちです。キーワードは500以上収録されているほか、「日本経済」「世界経済」「国内政治」「国際情勢」「産業」など15のテーマで分類されています。
巻頭カラーの2018年10大ニュースは把握しておきたいところです。この書籍の特徴としては終盤に索引があり、キーワードから見出し・本文を探し当てることができるようになっています。
2019→2020年版 図解まるわかり 時事用語
ニュース・リテラシー研究所著、新星出版社発行で1,080円です。これまで購入したことがなく、今回はじめて中身を知りました。
特徴としてはB5判で各単元、見開き2ページでまとめられていることですが、特筆すべきは絵や図表が多用されていてわかりやすいということです。なかには複雑な出来事もありますので、そんなときはビジュアルで読み込むことによって短時間でマスターできるでしょう。
2020年度対応 最新時事用語&問題
新聞ダイジェスト社が出版している人気の対策本です。キーワード解説のほか、話題の数字、話題の判決といった独自の切り口でのコンテンツ、模擬テスト、主要な白書の抜粋、日本国憲法も記載されています。
前出の2019→2020年版 図解まるわかり 時事用語と同じサイズですが、それと比べるとテキスト多め、ビジュアル少なめで、グラフや地図もありますが、小さいサイズのものが挿入されています。文字情報は申し分ないです。
重要度がABCの3段階で分かれていますので、まずはAからとりかかり、時間があればB、かなり時間に余裕があればCも覚えるといった時間配分も考えた対策を行うことができます。
ただし画像の書籍は2018年8月20日までの時事ニュースが掲載されている9月発売分のものですが、例年ですと年2回、2月末~3月初めあたりにも発売されるようです。
まとめ:スキマ時間を活用し知識を足していく対策を!
まだまだ間に合うと思っていても光陰矢の如しで、時は刻一刻と過ぎ、いつの間にかエントリー、会社説明会、筆記試験、面接へと突入していきます。
時事問題の知識は筆記試験から最終面接まで、いつなんどきどこで問われてもおかしくありませんし、社会人になってからも役に立つ知識ばかりです。
つまり時事問題は100%、自分のためになり、勉強していて損はないということです。
時事問題、どこから手を付けるべきか悩むと思いますが、私は興味のあるものを中心に暗記、自分の意見も考えながら各項目、覚えていくとよさそうに感じます。
まずは、
- 領土問題
- オリンピック
- 北朝鮮
- 西日本豪雨
- 皇室
- 新しいがん治療薬
- ゴーンショック
について暗記・自分の意見を考えてみられてください。寝る前、アルバイトの休憩中、通学の電車内など時間を惜しまずいつでもどこでも実践してみましょう。
なお就職試験では、時事問題以外にも対策に取り組むべき項目があります。
各項目の2020卒向けおすすめの書籍については以下でまとめていますので、併せてご覧頂けますと幸いです。
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