- 公務員・教員の転職理由と事例
- 地方公務員→食品業界への転職体験談
- 公務員・教員の転職ノウハウ
私の友人らがまさにそうだったのですが、市役所勤務など地方公務員や学校教員(教諭)から民間企業へ転職したいと悩み、迷う人は意外と多いです。
一見、難しそうですが、
・若い
・スキルがある
と、わりかしうまく転職できます。
今回は2020年最新版として、2013年に公務員・教員の友人らから聞いた話の内容を今一度、振り返りつつ、大学院まで出て地方公務員に入職したものの1年半で見切りをつけ、興味があった食品業界に転職を果たした方からもいただいた、かなり濃い体験談もお伝えしていきます。
公務員・教員から民間企業に転職したくなる理由とは?(2013年)
私、管理人セイジの中高大同期の友人には実は、市役所勤務など地方公務員、教員がたくさんいまして、なぜ志したのか? どうして辞めたいのか? 当時聞いていた内容が以下です。
公務員・教員を志した理由
普段は公務員や教員として、市民や子どもらを支えることに喜びをもって働いている、そんな同期友人らですが、公務員・教員を志した理由は人それぞれで、
・教育の現場で指導したい
という高尚なものから、
・ラクそうだし一生安泰
・休みがたくさん取れる
という誰もが考えそうなものまでありました。しかし数年経ち、民間企業へ転職したいと打ち明けてくれた友人も数人いました。
今はどうされているのです?
追って説明しますけど、転職組、残留組、両方います。
私の友人のひとりが、会うたびずーっと公務員の彼氏がほしいと連呼していて、うるさくて(笑) 残留組で誰かいい人いません?
うーん(笑) 独身組もいるので今度、恋愛事情、聞いておきますね^^
公務員・教員を辞めたい理由
同期友人に聞いたところ
- やりがいを感じられない
- 保守的なところが合わない
- もっと創造性のある仕事がしたい
でした。
ここからは特に詳しくその後のことまで話してくれた同期友人2人の事例(辞めたいと思った理由とそれからどうなったのか)を詳しく、お伝えしていきます。
公務員・教員から民間企業に転職した事例2つ(2013年)
2013年のお話ですが、今の転職事情とほぼ変わらないため、そのままお伝えします。
友人Aの事例、英語スキルを身につけ転職
友人Aとは高校時代からの付き合いです。Aは大学卒業後、新卒で市役所に入りました。市役所を選んだ理由は「安定」で、特にやりたい仕事があるわけではありませんでした。配属先は区役所。生活保護窓口業務担当でした。
あっ、吉岡里帆さんのドラマそのままだ!
そうですね。長いタイトルのドラマです。
『健康で文化的な最低限度の生活』ですよ^^
生活保護の受給を希望する、受給中の市民の対応にあたる仕事で、完全なルーチン。達成感が得られずに日々、悶々とし。また公務員は気性に合わなかったと感じたそうです。
役所の仕事に飽き、民間企業に転職しようと試みましたが、これといったスキルが特になく、何か武器を身に着けてから挑もうと英会話教室に通い始めました。
そこから2年ほど、それなりのTOEICスコアと会話力をマークし、リクナビエージェント経由で、民間企業に転職しました。
2年かけて! なんかスゴくないですか?
はい。うまくスキルとキャリア、両方アップした成功事例といえますね!
もうひとつ、茨の道を選んだ友人の事例も見ます。
友人Bの事例、独立起業で自分の能力を発揮
友人Bは、大学時代からの友人です。かなりデキる人物で、きっと卒業後はどこかの大手に入り、第一線で活躍するとみなが、思っていました。しかし意外と安定志向だったらしく周囲の予想を見事に裏切り、地方公務員に。
ただ役所の保守的な姿勢は、能力があり、前向きで、チャレンジ精神が強かった彼には物足りなく映り、まもなく退職を考えるように…。
実は「早々と辞めなければいいのだけど…」と、みな案じていました。
友人Bが下した選択は転職ではなく「独立して起業する」でした。これには周囲も正直ド肝を抜かれましたが、IT系の小さな会社を立ち上げ社長になりました。
彼いわく「公務員が次のステップに進むのなら、起業が最もリスクが小さいと思った」そうで、民間企業で通じるようなスキルが役所で得られなかった(身に着かなかった)ので、自ら会社を興したのだと熱弁していました。
彼ほどのポテンシャルがあれば、普通に民間企業に転職できたはずと正直、思えるのですけどね…。
若手はポテンシャル(伸びしろへの期待値)採用ですからね!
これは当時、レアケースでしたが、今は比較的カンタンに独立起業できる時代になりました…。
公務員から民間企業へは30代でも普通に転職できる
私の友人の事例を2つ、ご紹介しましたが、私の見立てでは、
30代くらいまでなら普通に公務員から民間企業へ転職できる
です。
もちろん最終面接で、民間企業で専門性の高い仕事をやってきた人と2人残った場合で1人だけの採用なら、厳しいものがありますが…。
多くの場合20~30代くらいなら、ポテンシャルを加味し採用してくれるはずです。
例えば友人Aのように英語力など何かひとつ武器を携えて転職活動に臨むと、キャリアアップできる可能性は、グンと高まります。
私自身、民間企業勤務で日頃から感じているのですが、大手でも英語ができる人は、まだまだ不足しています。
今はどの企業も、人材自体が不足していますよね?
はい。
やはり「英語ができる人材は有利」と昔からわかっていることですが、それでも供給が追いつきません。地方公務員から実際に、
・京セラミタ(海外担当)※
・ECC(英語教師)
に転職した方も私は個人的に知っています。
※現在の京セラドキュメントソリューションズ
京セラミタやECCはバリバリの大手企業ですね^^
本人の並々ならぬ努力の賜物ですが、みなさんも英語を学ぶと大手に転職できる可能性があるということが証明された格好の事例です。
そういえばセイジさん、最新体験談があるとか…。
そろそろご紹介すべきですね!
公務員から民間企業へ、転職体験談(2020年最新版)
カンタンな自己紹介(最終学歴と職歴)
食品メーカー、商品開発部という新しいフィールドを見つけ、転職後いきいきと働いていたのですが、「彼氏と結婚します」と報告した途端、雇用契約を打ち切られ、現在は雇われない独立した働き方をしています。
今回は公務員から民間企業に転職した私が、公務員の魅力、辞めた理由、民間企業の魅力、公務員と民間企業、結局どちらがいいのか? などをセキララに書いていこうと思います。
元公務員が考える公務員の魅力
私が学生時代、就職活動で公務員を選んだ大きな理由は、福利厚生がいいからでした。
休暇制度だけ見ても、
- 年次休暇
- 病気休暇
- 特別休暇
- 介護休暇
で実際、特別休暇は10種類以上ありました。
特別休暇について調べると、公民権行使、官公署出頭、骨髄等ドナー、ボランティア、結婚などがありました。
もちろん有給・無給さまざまでしたが、いざというとき仕事を辞めず制度利用できたのは心強かったです。
なかでもいわゆる「育児休暇」が最強でした。民間企業は取れても法定の1年ですが、公務員は取ろうと思えば3年、取得できます。
私は就職前「結婚したら…」を考えていたため、この制度をいちばん重視していました。年次休暇も民間企業は一般的に、採用6カ月経過してはじめて付与されるのですが、公務員は最初から付与されます。私は社会人になってわずか2カ月目には、年次休暇を取得し、お休みをいただいていました。ありがたかったです。
また「手当」も条件を満たせば、ありとあらゆるものが給与に上乗せされました。民間企業が実施している手当はほとんど、公務員ならいただけるはずです。
実感としてですが、世間体もよかったです。家族や親戚、友人から「すごいね!」と褒められました。民間企業ですとどんなに素晴らしい企業でも、知名度がなければスルーされるはずです。
とにかく公務員というだけで褒められました。特に彼氏のご両親に挨拶に行った際、公務員になってよかったなと感じました。
「なぜ公務員を続けているのですか?」そう問われたら、おそらく多くの方がその理由として「安定しているから」と返すでしょう。
実際そういう先輩方が多かったです。安定にはボーナス支給が確実、リストラがない、福利厚生がよすぎる[共済組合(健康保険)が手厚い]など、さまざまな意味を含むと思います。
業績に応じ支給額が変動する民間企業とは違い、公務員は年2回、ボーナスが安定支給されます。支給額も民間企業平均支給額と比べ高いです。年2回、合計4~5カ月分いただけるわけですから、本当にありがたかったです。
民間企業、自営業だと考えられないことばかり。羨ましいです。
でも辞める日が来るんですよね…。どのような理由だったのでしょうか。
公務員を辞めた理由
自分の仕事が人の役に立っているという実感があまりありませんでした。特に税務課は、住民税が確定する5月。毎日電話が鳴りっぱなしとなり
「どうして税金が上がったんだ!?」
「計算し間違えているんじゃないのか!?」
「所得が増えても税金まで増えるなら意味ないじゃん!!」
などとひどいときは一方的に感情の赴くまま怒りをぶちまけられ、穏便に済ませようと、相手をこれ以上怒らせないよう、慎重にクレーム処理しなければならず、終日その対応に追われていました。
理不尽さを感じながらお叱りを受けることが多く、心が病みそうでやりがいを感じる余裕など、とてもなかったです。
私には公務員のほか農学系出身ということも手伝って「いつか食品業界で働いてみたい」という思いもどこかにありました。
そして公務員として働いていた当時、「身につくスキルはあまりない」「子どもを産んで転職するのは難しいかも」と心底そう思っていました。
当時の上司もまた、勤続30年超なのに「地方公務員として長く勤めてきたが、身につけたといえるスキルは何もなかったな…」といわれていました。
就職活動時、単純に福利厚生や安定していることから公務員を選びましたが、働いてみてはじめてわかったことも多々ありました。
(地方)公務員の一般行政職は基本、3年以内に一度は異動があります。そして役所には税務課をはじめ、福祉課、建設課などさまざまな課・係があります。
働き始める前は「3年で異動できるなら飽きがこなくていい」くらいに思っていました。しかし実際は逆でした。
人には向き・不向きがあるように「しんどい」「やりたくない」と思う仕事が山ほど出てきたのです。
後付けではありますが吉岡里帆さんが公務員を演じたドラマのように、常時内勤ではなく住民世帯へ足繁く赴くような業務を担当するのは私には考えられず、絶対にやりたくないと思っていました。
また潔癖症なところもありゴミ屋敷や廃墟など不衛生な場所に出動する、汚物を回収・処理するといった住民サービスを行う部署への異動はまず考えられず、万が一配属され、自分がやっている姿を頭の中で想像しただけでも「どうしよう…」と気持ちが滅入っていたのです。
公務員のイメージといちばんかけ離れていたのがこれです。公務員は完全週休二日制で、きちんと休めるお仕事と思われがちです。しかし地方公務員は休日出勤が、実際多いのです。私は月平均2日、休日出勤を余儀なくされていました。
- 防災訓練
- 休日窓口
- 宿直
- 日直
- 草刈り
- (自治体主催)イベント
などでです。仕方がないこととはいえ休日出勤がこんなにあるとは夢にも思っていませんでした。毎週のように「今週末の動員要請、誰が引き受ける?」という話になり、「新人が行くべき」といった空気になりやすく「私が行きます」といわなければならず辛かったです。
これも公務員のイメージとかけ離れておりそのギャップに苦しみました。意外と残業が多いのです。
税務課では繁忙期(2~5月あたり)は月に60時間以上、残業していましたし、先ほどもお伝えしたとおり休日出勤も余儀なくされていました。
また毎日、残業している様子は傍から見ていておそろしく、総務課にだけは行きたくないと思っていました。総務課は閑散期がなく年中、忙しい部署のようでした。
そして「公務員だから残業代は全部、支給されるに決まっている」は、事実と異なります。私が採用された自治体は財政状況が芳しくなく、残業のほとんどが「代休扱い」となりました。
私が所属した税務課のように繁忙期の残業発生を想定して、あらかじめ予算を申請していた部署ならいくらかでも支給いただけるのですが、「予算上、想定されていない残業にお金は出せない」という決まり文句が出回っていたくらいですから、申請していなかった部署ではサービス残業が強いられていたのではと思います。
公務員は未だに年功序列が堅く守られています。仕事ができない人間でも平気で係長になれ、正直、その人の部下はかなり大変そうでした。
元公務員が感じた民間企業の魅力
公務員時代とは違い、やりがいがあり「美味しいものをつくっている」と実感できました。家族や友人に「美味しいよ」と自信をもって商品を勧めていたくらいです。
私は残念ながら志半ばで追いやられ、スキルが身についたといえるほど在籍ができませんでしたが、長く勤めれば確実に(公務員ではまず学べない)
- 営業術
- コミュニケーション力
といったスキルが身についたはずです。
民間企業ではきちんと時間やコストを考えて行動できる方が多かったです。公務員時代は「利益」「損失」について一切、考えたこともありませんでした。
民間企業では自分の成果が目に見える数字となって可視化され、そのまま評価されます。それだけでモチベーション・やる気につながりました。公務員時代、年功序列制度でデキない係長の部下になった人らの苦労する姿を目の当たりにしたためか、成果を出した人が出世できるシステムにとても好感が持てました。
これだけのいいところがあるのですが、反面デメリットもありました。
公務員と比べて感じた民間企業のデメリット
私が勤めていた企業では「入社半年間はボーナスを算定しない」のが通例で、最初のボーナスは支給いただけませんでした。幸いその後、公務員と同等のボーナスをいただけたのですが、ほかの会社に勤めている友人らは「今回もらえなかった」「1カ月分」などと話していました。
私が勤めていた企業では、上司が部下に「お前はもう必要じゃない」と平気でほのめかすことがありました。上司から肩を叩かれて自ら辞める、民間企業ではあり得ることです。
公務員なら育休が3年も取得できると先ほど述べましたが、おそらく公務員並みに福利厚生が整っている企業など、ほとんどありません。
また私が勤めていた企業では「住居手当」がありませんでした。それだけで公務員時代よりも給料が月2万円以上減りました。入社後6カ月は有休がつかず欠勤すると、休んだ分は(日給月給のため)無給でした。交通費も高速道路代は出ません。遠方から出勤している方など時間をかけ下道で通勤するしかなさそうでした。
ありがとうございました!
逆に公務員って通勤中の高速道路代が出るのですか? 驚きです!
こちら、人事院のホームページで調べてみると、高速利用で時間が30分以上短縮されることなど厳しい要件をクリアする必要があるようですよ。
それでも公務員から民間企業へと移りたい方って、ある意味チャレンジャーですよね? 応援したい気持ちです^^
ここからは長年、サイト管理人として、いろいろな方の転職事情などに触れてきた私が、公務員の転職ノウハウについて伝授いたします。
公務員・教員から民間企業へ転職する際のノウハウ・注意点
民間企業に転職する際は基本、現在民間企業に勤務している方と同様に公務員・教員も転職サイトや転職エージェントを利用していくことになりますが、以下、注意すべきポイントがあります。
- 申し込み時に断られることがある
- 「思い留まったほうがいい」といわれる
- 「適した求人がない」といわれる
公務員や教員の方はおそらく、まるで拒否されたように感じ、凹まれると思います。ただしこれは公務員や教員にかぎらず普通にあるあるですので、気にされなくていいです。
でも実際にそういわれたら、どうすればいいのです?
解説していきます!
1.申し込み時に断られた場合
実はあるあるで、民間企業在籍中のハイスペックな人材でも起こり得ます。原因としては担当者の裁量(勝手な主観、思い込み)で支援可否が決定されるからで、つまり
- 担当者がムリと判断した場合
- 元公務員や教員を欲する企業が本当になかった場合
に支援自体を断られます。もちろんこの世の終わりなどと悲観する必要はなく運が悪かったと考え、さっさと別の転職サイトや転職エージェントに支援を依頼するのが得策です。
淡々と進めていくのですね?
2.「思い留まったほうがいい」といわれた場合
年収、待遇ともに安定した公務員です。年功序列でエスカレーター式に役職も付いていくわけですから「辞めるともったいない」という老婆心が働きます。「本当にいいのですか?」と転職への強い意志を確認するための通過儀礼的な意味合いもあります。
相手の言葉に動じず、意志の強さを見せれば大丈夫なのですよね?
3.「適した求人がない」といわれた場合
その転職エージェントが保有する求人のなかに、
- 公務員と同等の年収・待遇の求人
- 職歴・スキルセットに適う求人
- 希望に合う求人
もなかったということです。このようにいわれた場合、
など、とにかく支援する側が求人を探しやすくできるヒントやきっかけをこちらから与え、折れるべきは折れますよとできるだけ、丁重に(ときに大げさに)繰り返しお願いし「いい求人があれば何卒」と、協力を仰ぎ、探っていただくようにします。
ある程度、妥協する姿勢と交渉力が問われますね…。
まとめ 何をいわれても諦めず進めていく
最近の傾向としては、公務員や教員の転職をサポートしてくれるところも増えてきています。
転職エージェントの担当者はこちらからアクションを起こすと意外と響くといいますか、いい求人を探してきてくれます。
「とにかく私は転職したいんだ!」という強い意思を伝えれば、最初は転職に否定的、支援に消極的だった担当者も意外に頑張ってくれるようになります。
人生がかかっているんですもの。もしかすると「公務員辞めなきゃよかった」とあとあと責められるのをおそれ、バイアスがかかっているのかも^^
個人的意見ですが、公務員や教員になれた人はそれなりの学力と人間性の土台を持っており、そこら辺の民間企業社員よりも群を抜いて優秀です。
景気の良さやタイミングも影響しますが、本気で探せばきっと、転職先は見つかります。
最後に利用すべき転職サイト・転職エージェントですが、公務員や教員から民間企業へ転職したいなら基本、求人を大量に保有している大手を利用すべきです。
大手なら公務員や教員から民間企業へ導いた事例もたくさんあるはずです。豊富な実績に基づく支援をしていただけるでしょう。
私は民間企業→民間企業ですが、転職した際の流れやオススメできる転職サイト・転職エージェントについて以下の記事で、詳しく説明していますので、よろしければご覧いただけますと幸いです!
公務員や教員を辞めるのは大変勇気が要ることです。おまけに外野からは「思い留まって」「辞めないで」といわれ、心配されます。しかしそれでも大切なのは自分の気持ちです。そこにやりがいや幸せがなければ、なにをいわれてもあきらめず、転職へと動き出しましょう!
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