- 転職エージェントを利用するメリット・デメリット(全11項目)
- 転職エージェントを“併用”するメリット・デメリット(全10項目)

- 複数利用すること
- 掛け持ちすること
そういった意味合いがあります。まずはひとつだけ転職エージェントに登録してみたものの、
- 担当者と合わない
- 正社員求人を紹介してくれない
- 連絡すらない
このような状況に陥っていないでしょうか。

なかには転職エージェントなんかに頼らずに自力で転職活動したほうがいいと思う方もいそう。

それはそれでアリですが、私は複数利活用をオススメします。いわゆる転職エージェントの掛け持ちです!
そこで今回、転職エージェントについて利用と併用のメリット・デメリットをお伝えいたします。
転職エージェントを利用するメリット
まずはそもそも転職エージェントを利用するメリットからお伝えしていきます。
1.ノウハウがなくても安心して転職活動ができる
キャリアアドバイザーは百戦錬磨です。そこで得てきた転職ノウハウを、惜しみなく教えてくれるはずです。独自に転職活動を行うのもアリですが、ノウハウがないばかりに
- 年収ランクダウン
- 会社ランクダウン
- ブラック企業に転職
という結果を招けば、後悔してもしきれません。そこはノウハウを保有しているキャリアアドバイザーにお願いし、支援してもらったほうがずっと安心して転職活動ができます。
2.自分で探さなくても求人を提示してもらえる
膨大な量の求人群から、細部までこだわり抜き、自分に合った求人を探し出すのは正直、非常に手間で、想像以上の時間がかかります。

そうですよね。学生時代のアルバイトですら、かなり時間をかけて探していた記憶があります。

ピンとこない方は物件探しを思い出していただければ。同等もしくはそれ以上の労力と時間を消費することが実感できると思います。
そこで転職エージェントに登録し希望条件などを伝えるのです。それだけでキャリアアドバイザーは半自動的に求人をピックアップして紹介してくれます。

もう既に辞めた人ですけど、同じ職場の人が勤務時間中に堂々と仕事を探していました。注意しても止めず傍から見ていて、不快でした。

仕事の合間に求人を探すのは、在籍している会社や同僚に対しても失礼ですし、社会人としてやってはいけないことです。
転職エージェントに在籍するキャリアアドバイザーなら仕事探しが本業ですから、職場で就業時間中、堂々と時間をかけ私たちのために求人を探してくれます。
ちなみにですが転職エージェントには世に出回っていない非公開求人が多数眠っていますので、私たちが世界中、何十年彷徨い、探し回ってもまず巡り合うことがないような求人と出会えることになります。
3.職務経歴書や履歴書の書き方を教えてくれる
履歴書は学生時代、何度も書いたと思いますが、アルバイトや新卒採用時のものと同じ感覚で書くのはNGです。
また転職活動ではじめて職務経歴書を作成します。職務経歴書はもちろん、人によって内容は異なりますが、提出する会社によってもその内容を変えなければなりません。
つまりこの世にひとつではなく、提出する会社の数だけ職務経歴書のパターンが必要となるのです。しかも転職活動において最も重要な書類ですから、じっくり練り上げる必要があります。
転職エージェントに登録し、キャリアアドバイザーにお願いすれば、アドバイス・添削を通じてその内容も一緒に考えてくれるはずです。

ここまで「働きながらの転職活動」にいかにメリットがあるのか、ご理解いただけたかと思います。もちろん退職してから転職活動される方にとっても心強く頼りになります。そんなメリットをあと2つ、ご紹介いたします。
4.面接対策を万全に施してくれる
キャリアアドバイザーは通常、
- 模擬面接
- 想定問答の提示
- 面接当日の同行
- 面接後、その結果のフィードバック(私たちに)
- 面接官への補足説明(面接で私たちが言葉足らずだった部分など)
- 求職者の性格や(私たちからは言いにくい)良いところを面接官に伝える
- いい人材なのでと強く推してくれる
などの対応をしてくれます。
独自の転職活動ではまず得られない経験であり大きなメリットです。面接中、自分のどこがいけなかったのか? どうすればよかったのか? などがわからないままやみくもに面接を受けまくっても落ち続けるでしょう。
そこはキャリアアドバイザーに同行していただくことで、第三者から見た感想、ときに面接官の評価も一緒に聞けます。転職エージェントを利活用したほうが、次の面接でうまくいく可能性も出てくるのです。
5.給与や条件の交渉を代行してくれる
たった1人で交渉し納得のいく給与や条件を転職先から勝ち取るのは、よほど交渉力に長け、自信がある方以外はむずかしく、至難の業でしょう。なぜなら採用側がOKしなければ、転職の話自体、白紙に戻されてしまうこともあるからです。
それを恐れて交渉では強く出ることができなかったり、百戦錬磨の人事採用担当者に理詰めで言い負かされたりし、最悪、前職にとどまっておいたほうがマシという交渉結果になる可能性もあります。
しかし転職エージェントのベテランキャリアアドバイザーなら、人事採用担当者と同様に交渉慣れしていますし、リクルートアドバイザーとして豊富な知識を兼ね備えていますので、対等な立場でフラットに私たちの給与などの希望や条件を淡々と伝え、採用側のOKをもらってきてくれるはずです。
6.転職入社後もフォローしてくれる
転職入社後、不要と感じる方も少なくありませんが、しばらくはキャリアアドバイザーが間に入ってフォローしてくれます。
- 入社前の条件と異なる
- 新天地の人間関係に悩み
が生じた際はキャリアアドバイザーにいちばんに相談することで、改善・調整などの対応に動いてくれるはずです。
これは転職エージェントにとっては個人・企業双方からクレームに発展させないためのアクションで、個人から「約束を守らないような会社を紹介された」と言われないため、会社から「スグ辞めるような人材を紹介された」と言われないために必要な措置なのです。
新しい会社が条件を本当にのんでくれたか(覆すのではと)心配、転職先での人間関係がうまくいくかどうしても心配な方は転職エージェントを利用すれば、その不安は和らぐでしょう。

次はデメリットをまとめます。
転職エージェントを利用するデメリット
1.自分のペースで転職活動ができないかも
キャリアアドバイザーによっては私たちの都合やペースを考えずに動かれることがあります。たとえば、
- 私たちが仕事中であるにも関わらず平気でスマホに着信を入れてくる
- いきなり翌日の面接をセッティングしようとしてくる
- LINEで聞きたいことを送ったのに既読にならない
など、なかにはたくさんの担当求職者を抱えていて、個別に把握すべき希望連絡時間帯などを失念している可能性もありますが、軽率な対応によって、働きながらの転職で避けたい会社バレや不安助長につながりかねない対応をされることも稀ですがありえます。
2.求人をなかなか紹介してくれないかも
希望勤務地エリアに所在する企業が皆無、もしくは企業はあるけれど正社員求人自体が存在しなければもちろん、私たちは1件も紹介していただけないことになりその場合は、いささか仕方がありません。
しかしながら提示した条件が無茶振りだったり、希望勤務開始時期が先過ぎたりしても(たとえば半年後、一年後など)しばらく放置されることがあります。
3.自分のことを過小評価するかも
キャリアアドバイザーに私たちが過小評価されてしまうこともありえます。しかしそれが過小評価であるかどうかは真相追求がむずかしいところです。企業側の面接官もまたキャリアアドバイザーと同じ評価をするかもしれません。
4.希望する業界・職種・方向性を認めてくれないかも
未経験、スキル不足ですと相手にしてもらえない業界・企業は少なからずありますし、即戦力がほしい会社に引き合わせていただけることはまずありません。要するに私たちが自分で決めた「挑戦」は転職エージェント側に制止され、食い止められ、芽を摘まれるおそれがあります。
5.相性が合わないキャリアアドバイザーにあたるかも
意思の疎通がうまくいかないことを相性のせいにしてしまうこともあるのですが、相性が本当に合わない人とはうまくいきませんし、わかり合えません。それこそ転職活動の足かせになってしまい本末転倒です。
その場合は変更をお願いし、キャリアアドバイザーを交代してもらうべきです。

以上5つ、このようなデメリットがあるため冒頭のとおり、併用をオススメするわけです。
実際に転職エージェントを利活用してきた方から、クラウドワークスを通じて転職とキャリアアップに寄せていただいた声のなかには、
エージェントや転職サイトなどさまざまな媒体に登録、たくさんの正社員求人に応募することが大事です |
転職エージェントは1社だけでなく、複数登録しておけばより多くの情報が入り、比較もしやすいですよ |
担当者によって全然対応が違うので複数の転職エージェントに登録をしたほうがいい |
エージェントによって対応速度や求人等が違ってくるので、2、3社登録していろいろ聞いてみるといいかも |
といったものがありましたのでご参考いただければ幸いです。引き続きここからは併用(複数利活用)のメリット・デメリットをお伝えしていきます。
転職エージェントを“併用”するメリット
1.自分のペースでの転職活動へと軌道修正できるかも

複数の転職エージェントに登録し、そのなかで信頼できると思えるキャリアアドバイザーと出会うことができれば、自分に合った転職活動のペースへと持っていくことができるでしょう。
ただし自分に合った転職活動ペースを貫くことは、キャリアアドバイザーの支援ペースを乱すことになるかもしれません。そこで大切なのは信頼関係で、実際に会って話すことで構築できるはずです。
信頼できるキャリアアドバイザーとの出会いは千載一遇かもしれません。大切にし、その関係を破綻させないためにも、連絡があればすぐにレスポンスを返すなど、キャリアアドバイザーへの気遣いを忘れないようにしたいものです。
2.正社員求人を紹介してくれる機会が増えるかも
たくさんの転職エージェント、キャリアアドバイザーとやりとりすれば、単純計算ですがその分、紹介件数は倍増します。もちろん量と質は比例しない場合もありますが、多くの選択肢のなかから転職先候補を自由に選べるという点は、メリットとして大きいです。
3.自分のことをきちんと評価してくれる転職エージェントと出会えるかも

転職エージェントもさまざまですが、キャリアアドバイザーもさまざまです。評価の尺度も担当者次第というところでしょうか…。私のこれまでの経験や知見を元に語らせていただくと、
- ヒアリングで細かく話を聴いてくれた
- いいところを見出そうとする姿勢がある
- ことあるごとにフィードバックをくれる
方はきちんと評価してくれると考えます。実際にヒアリングでお会いしたりお話したりし、接していくことで感覚的に自分のことをどのように評価しようと動かれている方かがわかると思います。
4.希望する業界・職種・方向性を認めてくれるかも
希望する業界、職種、方向性を認めてくれないとき
- AIにとって代わられる
- 規制緩和が予定されている
- 外資系企業が参入してくる
から絶対オススメできないなどと、はっきりと理由を添えていただければ「自分のことを思って」と感じ、再検討する余地がありそうなのですが…。

たしかに希望する業界、職種、方向性はある意味、自分の将来の夢ですから、正直その芽をキャリアアドバイザーの「ただなんとなく反対」で、摘まれたくはないですよね。
転職エージェントに複数登録することで出会えたキャリアアドバイザーのなかには、将来の夢を尊重してくれて、惜しみなく支援をしてくれる方もいるはずです。

しかし私たちもただ手をこまねくだけではなく、実際に熱意を伝える努力や工夫が必要となります。
5.協力的ではない転職エージェントとの縁を切れる(疎遠に)
- 担当者と合わないのに変えてくれない
- 正社員求人を紹介してくれない
- 連絡すらない
など転職エージェントが非協力的ですと転職活動自体、停滞してしまいます。
なかには「こちらの推す企業に興味を示さない(いうことを聞かない)なら絶対協力しない」というスタンスの転職エージェントもあるでしょう。ところが複数のキャリアアドバイザーとコンタクトをとっていれば、そのような転職エージェントはサクっとこちら側で削除できます。宣言することなく自然消滅、疎遠になればいいだけのお話です。
6.交渉力が向上する

最後のメリットですが、複数の転職エージェントに登録し、何人かのキャリアアドバイザーとしばらく並行してお付き合いしていくことで、さまざまな交渉や折衝を経験することになりますので、確実に交渉力は向上していくでしょう。
キャリアアドバイザーは求職者を内定に導くだけではなく、転職エージェントに売り上げという部分で貢献する(企業から報酬をいただく)ことも使命ですから、案件を勧めるときや内定が出たときなど、対応をガラっと変えてくることがあります。
わかりやすくいえばそれまで柔和な姿勢だったのに、いきなり「とにかく押し込もう」と半ば強引になるのです。
たとえばA社から内定が出たところに、魅力的なB社求人が出てきた場合、B社も受けたくなります。ところがこちらの迷いを察したキャリアアドバイザーが早くA社に入社の返事をするよう促すのです。

こういった場面で試されるのが、交渉力といえます。
こういった状況に何度か出くわすことで交渉術もきっと、身につけられるでしょう。大変かと思いますが、このスキルは次の会社で、さらにはサラリーマンとして自身のキャリアを積むうえで、重要な力となりえますのでぜひとも、培っていかれてほしいところです。

そしてデメリットです。
転職エージェントを“併用”するデメリット
1.転職活動の管理が大変(キャパシティーを超え混乱する)
単純に支援をお願いする転職エージェント件数が増えると、それだけ連絡や対応に手間をかけなければなりません。きちんと管理ができていないと
の組み合わせがどれだったかなどがわからなくなり、混乱しかねません。ほかにも
- メール返信忘れ
- 返送先間違い
- 書類宛名間違い
など、気を付けるべきところはほかにも多数あります。

自分自身が転職活動に割り当てられるキャパシティー(許容範囲)を考えながら登録していくのが理想です。

転職エージェントの数は徐々に増やしていくほうが無難ですか?

そうですね。徐々に増やすという選択肢もアリですが、ビルドアンドスクラップ(ひとつ登録したらひとつ疎遠に)していく方法もアリだと思います。

それでしたらキャパシティーは超えることもなく変わりませんよね。
2.ダブルブッキングもありえる
転職活動管理が十分にできていないと面接日のダブルブッキングも起こりえます。何よりも面接をセッティングしてくれたキャリアアドバイザーや、時間を割いて予定を入れてくださった人事採用担当者・面接官の方に多大なご迷惑をおかけすることになります。
スケジュール管理があまり得意ではない方もいらっしゃるとは思いますが、仕事をしていくうえでは必要不可欠なスキルですから、転職活動を通して身につけていただきたいものです。
3.希望する業界・職種・方向性などがブレる
複数の転職エージェントに登録していると極論、
B「これまでの経験やスキルを活かせる同じ職種を!」
C「将来性がないため、方向性を変えませんか?」
と十人十色の対応をされやすいです。

転職エージェントの数だけ提案される内容が違うのですね…。

業界・職種・方向性について、キャリアアドバイザー一人ひとりの言葉を聞くのはいいのですが、真に受けすぎて希望からブレないようにしたいものです。

うーん、どのキャリアアドバイザーのアドバイスにも含蓄があり、自分のことを考えているように思えて、無下に却下できない場合、どれを優先すべきですか?

そうですね。まずは自分の正直な気持ちに近いものがいいと思います。次に最も信頼しているキャリアアドバイザーの意見を取り入れてみてはどうでしょう?

なるほど。アサーションですね。そういえば「正直」でパッと今、思いついたのですが、転職エージェントを複数、利用している場合、その旨、きちんと担当者にお伝えしたほうがいいのですか?

はい。伝えておいたほうがいいと思います。
- 黙っておくことでやましい気持ちになり転職活動に支障が出る
- 面接日程がかぶり、いずれか断るときに嘘の言い訳をしなくて済む
- 他の転職エージェントよりもいい正社員求人を紹介しようと思ってもらえる
からです。
転職エージェントの併用はもはや常識となっていますから、キャリアアドバイザーもまたそれは想定済みです。おそるおそる伝えたとしても「あ、そうなのですね」と返されるくらいで、あっけないものです。

併用で心証が悪くなったり、支援が手薄になったりすることは基本ないのですか?

キャリアアドバイザーとしては競合に遅れをとらないよう、1日も早く求人を紹介し、内定・入社できるように対応しよう、いいかげんなアドバイスはできない、より丁寧により親身な対応をしようなどと心がけてくれるはずです。
4.セカンドオピニオンをめぐりもめるかも
ある転職エージェントのキャリアアドバイザーの助言等に対し、他のキャリアアドバイザーから受けた助言等を引き合いに出し、否定したり却下したりするのはトラブルの元です。
特に内定が出たあとにその案件を断る口実として「他エージェントから反対された」などと安易に伝えると、断られたキャリアアドバイザーは黙っていないでしょう。

大切なのは自分がどう思ったかであり、いくら断りにくいから、言いにくいからといって、他エージェントの担当者の名前やセカンドオピニオンを利用するのはやめておくべきです。
その点さえ気を付ければ複数利活用により転職活動は充実したものになります!
まとめ:転職エージェントごとに管理さえできれば問題なし!

併用、複数利活用で気を遣うべきはやはり、各転職エージェントに迷惑をかけないよう、うまくスケジュールなどをコントロールすることくらいだといえます。
それもある程度、ザックリとした管理で問題ありません。あとは念押しですがセカンドオピニオンを持ち出さないことです。
転職活動は自分の納得がいく内定・入社を勝ち取ることが最終ゴールですので、それを目的とする併用、複数利活用はアリです。各転職エージェントとの関係をうまく保ち融和を図り、バランスをとりながらぜひ、納得のいく結果を目指していただきたいです。

併用するといってもどの転職エージェントに登録すればいいのかイマイチわからない方も多いのでは?

転職とキャリアアップでは50を超える転職エージェントの特色をとりまとめ、各記事で公開していますし、こちらの関連記事で比較ができるようにもなっています! さまざまなタイプに分けてご紹介していますのでぜひ、ご参考いただけますと幸いです。
コメント